採血の時ドラマチックな展開になるの何なんだ

先日、健康診断を受けてきました。

どの項目も平常値だったんですが、毎回引っかかるのが血圧です。大体いつも上が85、下が55辺りをうろうろする感じのいわゆる低血圧。

低血圧で日常生活に支障を感じることはあまりありません。朝起きれないとか、やる気が出ないとか、そういうメンタル的な部分を低血圧のせいにすることはあります。むしろ低血圧って便利だな〜って思います。

でも一方で低血圧を治したいと思う場面もあります。

採血の時です。

見えづらい血管のせいで少なくとも3回は注射器を刺し直すんですよね。血管が見えづらい原因のひとつに低血圧が関係してるみたいなんです。

 

今まで採血の時は「採血って難しそう!看護師さんがんばって!」という気持ちで見守っていたのですが、健康診断を受けるようになって、採血って3回も4回も刺すもんじゃないことに気がつきました。

というのも、健康診断だと、薄いカーテンの仕切りごしに隣の受診者が採血している様子がチラリと見えることがあるからです。

私がいる間、隣はほいほい採血し終わって、どんどん新しい受診者に入れ替わっていくじゃないですか。お見合い回転ずしみたいだ、ローテーションがすごい!と思いながら自分の腕を見ると、空っぽの注射器が刺さってたりします。吸いなさいよ血液を。

 

そんなわけで看護師さんにはいつも採血でお手間をおかけしてしまいます。

だいたい最初は左腕(利き手と逆だから)を差し出すのですが、看護師さんが「あれ?」という顔をするので、右腕も見てもらうと「おや?」という顔をします。

ゴムバンドをぐぐっと二の腕に巻き付け、指をグーパーグーパー、肘の内側をさすって叩いて……からの「いや、血管どこ?」です。

看護師さんに話を聞いたところ、どうも血管が奥まったところにあり、血管自体も細く、さらにそこへ低血圧が手伝って、「いや、血管どこ?」になるそうです。

採血で時間をとらせてしまい大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。

ただほんの少しだけ、ほんの少しだけですけど、「血管不在の腕を持つ者」みたいなキャラを自覚しているのも正直なところです。私の腕は中二病に蝕まれています。

だってね、看護婦さんが「血管不在の腕を持つ者」の腕に果敢に立ち向かう姿がすごくドラマチックで良いんですよ。

看護師さんが私の腕を凝視しながら

「これは…久々に……。」

って静かにつぶやこうもんなら、そりゃあカチンコ鳴るじゃないですか。物語始まった!って。

 

 

看「これは…久々に……。」

 

私『大丈夫ですか?右腕に変えましょうか?』

 

看「いや、このままいきましょう。軽く親指をにぎってください」

 

私『は、はい』(指示通りにぎる)

 

看「少しチクッとしますよ…」(チクッ)

 

私『…………』(全然吸えてない…)

 

看「…………」(グリグリと注射器をひねる)

 

私『…………』(痛い…そして全然吸えてない…!)

 

看「…すみません、ダメでした…」(空の注射器をゴミ箱へ放り投げる)

 

私『いえ、右腕でやってみましょう!』

 

看「少し腕を叩いてもいいですか?」

 

私『はい、大丈夫です』

 

看「あ、見えやすくなりました!刺しますね!」(チクッ)

 

私『…………』(全然吸えてない…!)

 

看「…本当にすみません…」(空の注射器をゴミ箱へ放り投げる)

 

私『いえ、私いつもこうなんです!血管見えづらいみたいで』

 

看「ここまでの血管はなかなかですね…。もう一度、左腕でお願いしてもいいですか…?」

 

私『はい!』(勢いよく左腕を差し出す)

 

看「………逃げるなぁ」(探るように触診しながら)

 

私『逃げてるんですか?血管が?!』

 

看「…逃げてますね。血管が細くて奥にあるからかも。あ…低血圧なんですね。だからか」

 

私『す、すみません』

 

看「こちらこそ何度もすみません…次は奥まで刺すので少し痛いかもしれませんが…」

 

私『大丈夫です!痛みには強いので』

 

看「…はい、刺しますね」(ズブブブブブ)

 

私『…………!』(痛い!痛い!そして全然吸えてない!!)

 

看「…だめか…!」

看「あの、申し訳ないのですが、エコーを先に済ませてから、また来て頂いてもよろしいでしょうか」(空の注射器をゴミ箱へ放り投げる)

 

 

 

採血がこんなにドラマになるとは思いませんでした。バッドエンドだったけど。

それにしても看護師さんがアツいセリフをたくさん言うからたまらなかったですね。

「…逃げるなぁ」は名言。

 

この後、もう一度採血しに部屋へ入ったら、奥からいかにも重鎮といったベテラン看護師さんがお目見えになって、すごい技を駆使して1発で成功しました。

無事に感動のエンディングを迎えられて良かったです。

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ちなみにベテラン看護師さんのすごい技を説明すると、

左図のようにいつも腕を台に乗せて注射器をじっと見つめていたんですが、右図のように注射器から視線を外して、腕をぶら下げた状態だと血管が見えやすいようでした。

負けた感じがするので今までやせ我慢して注射器を凝視してたのですが、視線を外すことで血圧が低下する反射が起こりにくくなるらしいです。今までの戦いはなんだったんだろう。

 

 

採血ドラマ楽しいんだけど、針を刺すのは普通に痛いのでもう打ち切りにしたいです。

血行を良くして低血圧を治して、腕の血管に逃げないよう説得していこうと思います。

 

 

 

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右腕は人気がなくて1回しか刺されなかった

 

 

 

以上です。

 

サウナによる脳内麻薬のすごさを体験したい

 

サウナは良い、という話をよく聞く。

 

でも私はサウナをよく知らない。何度か入ったことはあるけど、特別な感情を持ったことはなかった。

世の中にはサウナと似た岩盤浴というものもあるらしい。岩盤浴の存在は前々から気になっていた。でも実際には見たこともなかった。何となく温かそうな砂利の上で人が寝そべってる画が浮かぶくらい。

なのでサウナ中毒の人に岩盤浴について教えてもらった。

岩盤浴とはこういうものらしい。

 

岩盤浴はサウナの刺激弱めバージョン

■温かい石の上で20~30分寝転がる→外の空気で涼む、を繰り返す

岩盤浴はサウナほど脳内麻薬が出ないけど、ゆるやかなキマリがある

■サウナを本番ありのゴリゴリなアダルトビデオだとすると、岩盤浴はちょっとエッチなイメージビデオ

 

一番最後の説明は分からなすぎて笑ってしまった。

サウナ中毒の彼はサウナの話をする時、恋愛や性に例えることがよくある。サウナを愛しすぎているからだろうか。たまにサウナを抱く、サウナに抱かれるみたいなことも言う。どっちなんだ。

彼をそこまで夢中にさせる魅力とは一体何なんだろう。

ということでその魅力を教えてもらうため、初心者に優しい岩盤浴のあるスパへ行ってきた。

 

 

 

 

サウナは苦行?

 

場所はらくスパ鶴見、設備の充実度が最強らしい。

鶴見駅かららくスパへ向かうバスの中で、サウナについて話をする。

どうも聞いていると、サウナの室温は高く、水風呂は水温は低い方がキマりが深いらしい。(水温が1ケタ台の水風呂をシングルと呼ぶのがかっこよかった。)

サウナで得る快感は血管の収縮によるものだろうから、温度差があればあるほど良いという原理は分かるのだけど、確か彼は前にこんなことを言っていたような気がする。

少しずつサウナと水風呂の温度差を縮めていって、最終的には日向から日陰に入っただけで脳内麻薬が出るようになりたい。風が吹くだけで「ピース!」となるようなハッピーな体になりたい、と。

ところが最近は、サウナに熱さを、水風呂に冷たさを求める傾向にあるという。

それだと温度差を縮めるどころか理想と離れていってるのでは?そんな私の疑問に彼は穏やかな顔で答えてくれた。

ブッダは苦行の末に、苦行では悟りを開けないと気づいて、苦行をやめ、悟りに至った。苦行は直接悟りに至るものではなかったけど、無駄ではなかった。今のサウナはその苦行の段階。」

彼は仏になろうとしてるのか。スパの残り香のするほっこりしたバスが、突然、壮大なスケールになってしまった。こわい。

サウナ仏と一体どんな体験ができるのか。こわいけれどワクワクが止まらなかった。

 

 

 

 

岩盤浴のタイプによって楽しみ方が変わる 

 

入館し、着替えを済ませて、さっそく岩盤浴に入ることに。6種類もあってどれにしようか迷う。アトラクション感があって興奮する。

館内着のまま入れるのもいい。大人数で来ても楽しめそう。

 

 

 

小石の上で寝そべってみた

まずは小石の上に寝そべるタイプの岩盤浴へ。

室内は満員にも関わらず静まり返っていて、薄暗さの中でかすかに人の息遣いだけが聞こえる。

極力を音を立てないよう石の上にタオルを敷き、慎重にタオル目掛けて体を預ける。

上下の位置を見誤ってしまい、ブロックの枕と後頭部の位置が合っていなかった。フィットさせようと体をずらす度に小石が鳴る。ゆっくり、意識すればするほど音を立ててしまう。人の気配だけがする静かな空間。定まらないベスポジ。ずれ始める体の下のタオル、鳴りやまない小石の音。じゃりじゃり、ごそごそ、ごめんなさいごめんなさい。

変な汗をかいてしまった。

初めての緊張感からどうして良いのか分からないまま20分過ごす。エレベーターで見知らぬ人と乗り合わせた時の感覚に近かった。無言の気まずさがすごい。

たぶん変に意識しすぎたせいなので、経験を積んでリラックスして寝転がれるようになりたい。

 

 

サウナみたいな岩盤浴でキマる

次に入った岩盤浴は座るタイプで、ガラス張りで解放感のあるおかげか緊張せず入れた。室温は岩盤浴にしては高め、というか低めのサウナという表現の方がしっくりくる。

彼とああでもないこうでもないと世間話をしながら良い汗を流す。

 

テラスのベンチで休憩をした。たまに吹く外の風が体の火照りを優しく冷ましてくれる。

噂によると、この温まった体を冷やしてる時に「キマり」や「イキ」が訪れるらしい。

私はそれがどういう感覚なのかはまだ理解できていなかった。汗を流してスッキリする気持ちよさとはたぶん違うのだろう。

話を聞く限りでは、天井がぐるぐると回る感覚とか酔っぱらった状態に近いらしい。どうにか体験してみたい。

ふと彼の方へ目をやると、目がイッていた。

まばたきをせず一点を見つめ続けていた。最初は、何を見てるんだろうと思ったけど、彼の視線の先を追ったら宙しかなかった。

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人のイッてる顔を見ることってそうそう無い。

視線がおぼつかないというような酩酊状態を想像していたけど、完全に静止状態、まるで蝋人形のように固まっていた。

 思わず「大丈夫?!」と声をかけたら

 

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「けっこう今いい感じ」

とのことだった。

そうか、イクって無の状態になることなのか。

 

 

 

プラネタリウム岩盤浴は寝苦しい

休憩後はプラネタリウム岩盤浴へ。

寝そべりながら天井の星座を眺める。キレイ。だけど星座の知識に乏しくよく分からない。夏の熱帯夜ぐらいの微妙な室温も手伝って、頭上に「?」が出てしまう。

何となくロマンチックな話でも聞きたいわねってことで出た話が交通事故の話。「惹かれる」と「轢かれる」が良い感じにかかってるだの、でもそれはロマンチックじゃないだの言っていたら、最終的にイカつい看守みたいな係員さんに静かにしろと怒られた。

コントみたいで面白かった。

 

 

 

ロウリュウで熱風を浴び、再びキマる

 最後はまたサウナスタイルの岩盤浴へ。

タイミングよくロウリュウ(係員さんがうちわで扇いで熱波を浴びせてくれる)の時間だった。

しかもRORYU BOYS8というパフォーマンスグループが盛り上げてくれるらしい。

具体的にはお客さん全員でしりとりをしたり、学園天国でコール&レスポンスしたり、タオルを回したりした。こういうのは全力で参加した方が楽しいでちゃんとやりたい。

RORYUBOYS8が汗だくで軽快なトークをしている最中、隣の彼は宙を見つめながらイッている状態だったのだけが気がかりだった。(しりとりやタオル回しはちゃんとやってた)

体が冷えた時がイキのタイミングだと思ってたけど、繰り返す内にサウナに入ってる時でもキマるようになるのかもしれない。

 

 

 

 

サウナ愛を確認できた1日だった

 

最後にまたテラスで休憩をした。ほんのり涼しい夕方の風が気持ちよかった。

自分自身、キマったのかよく分からなかったけど、ふわふわとした心地よさを感じた。確かにほろ酔いに近く、でもそれよりも穏やかで爽快で、少しの頭痛と疲労感もある。これを洗練していけばキマるのだろうか。いつか極めたい。

サウナのキマりを語っている時に、ふと彼が

「注射でサウナの成分を体に取り込めてイケれば良いのに」と物騒なことを言っていたのはこわかった。もうそれサウナじゃなくて良いのでは。

彼にとってサウナは恋愛で、仏への道で、ヤクである。ぶっとんでいる。

 

 

この後、お風呂へ入り、1時間後に彼と顔を合わせて驚いた。

沐浴した後の赤ちゃんみたいな顔をしていた。どうやらサウナをキメてきたらしい。通りでツヤツヤなはずだよ。炊き立てのお米みたいだよ。

幸せそうな彼を見て、なるほどサウナっていいなって思った。

 

スパはアミューズメントパークみたいでとても楽しかった。また行きたい。

サウナもどんどん行ってみよう。もっと知りたいサウナのこと。

 

 

以上です。

 

 

 

 

店員間でお客さんにあだ名をつけてはいけない

昔、カフェでバイトをしていた時の話です。

 

当時、私はフリーターだったので、週6日ほど出勤していました。

毎日のようにお店で接客をしていると、何度か顔を合わせるお客さんは自然と覚えるようになりますよね。(でも常連さんに対して「いつもありがとうございます!」とかは言わないです)

 

お客さんを常連と認識するポイントはいくつかあって、

■来店頻度が高い

■来店時間が決まっている

■毎回同じまたは特徴的な注文をする

■独特な行動をする

というところが挙げられるでしょうか。

特に独特な行動をするお客さんはインパクトがあり、10年以上経った今でもたまに思い出すことがあります。

今回は、中でも特別に印象的だったお客さんのことを書いていこうと思います。

 

 

 

 

 毎日現れる長髪の男性 

見かけない日はないという位、ヘビーな常連さんがいました。

見た目は20代後半~30代、長髪で肌は焼けており、たまにフットサル帰りのようなスポーティー格好をしていました。

来店時間はまちまちで、いつ来ても3時間、長い時は6時間以上滞在するので、どの時間帯のスタッフも彼の存在を認識していました。

カフェなので滞在時間が長いのはそう珍しくないかもしれませんが、彼の存在感を主張する一番の理由は、席での不思議な動きにありました。

他のお客さんから

「あそこの席で気功をやってる方がいて気になるのですが…」

と言われ、あの不思議な動きは気功だったのか!と妙に納得したのを覚えています。

 

 

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まるでそよぐ海草のような手の動きが印象的でした。

 

他のお客さんからクレームが来てしまうのは仕方ないと思うのですが、本人に注意をする時って「お席での気功はご遠慮ください」とか言えばいいんでしょうか。

(他のお客さんに直接迷惑はかけてないし、気功を特別禁止してないしな…気を練ったり放出したりするのがダメなのかな…でも普通にしてても人って気を出すものなんじゃ…?いや、そもそも気って何?)みたいな気について深く考え込んでしまうので、なるべく彼には自発的に気功をやめてほしかったのが本音です。

で、ある日、彼が席を立って全身で気を練りだしたので、とうとう店長が注意しにいきました。

彼は「すみません」と言いながら今度はお店の外に出て気功をやり始めました。

お店は一面ガラス張りなので店内から見えるんですよね。気功ショーが。

その時、私は感動したのを覚えています。そんなにやりたいのか気功。むしろやらせてあげたいとすら思いました。

でも店長も負けるもんかと追って注意しにいきました。「敷地内での気功は危ないのでやめてください!」って。

もう何がどう危ないとか分かんないけど、ガラス越しに見る気功の使い手VSキレた店長戦は手に汗を握りました。

 

そういえば気功をする時は、仕組みはよく分からないのですが、汗をたくさんかくらしく、数時間経つとサウナから出たての人みたいにビショビショになってました。

そのせいか水をとにかくたくさん飲みます。セルフサービス用の水が入ったピッチャーを空にする勢いです。2リットル位入るやつ。

なので、彼が来店すると大急ぎで水を補充する必要がありました。

水だ、急げ!全部持ってかれるぞ!みたいなスタッフ間で水を切らさないよう連携する為、通常業務にはない団結力が生まれてました。

そして彼が来店すると明らかにコーヒーより水を入れていました。

あの水の攻防戦、やりがいがあって個人的には楽しかったです。

 

 

 

 

あだ名がついた

それまではその彼のことを「長髪の男性」とか「気功の人」「水をめちゃくちゃ飲む人」という感じでスタッフ同士で呼んでいました。

特徴的なお客さんってあだ名がつきがちですよね。あだ名つけられるのってお客さん側からすると怖いですよね。

 

いつものように例の彼が長時間滞在したのちに帰っていくと、バイト仲間のSくんが声を潜めて言いました。

「乳輪、今日も長かったな…」

ニューリン…乳輪?!思わず聞き返すと、Sくんはもう一度はっきりと

「だから、乳輪。やっと帰ったねって」

いやいや「はぁ~何度も言わすなよ」じゃないよ。

乳輪の意味が分からなかったのでSくんに理由を尋ねると「今日着ていたタンクトップから乳輪がごっそりはみ出てたから」とのこと。

もっと特徴あるけど。長髪とか毎日来るとか気功の動きとか水めっちゃ飲むとか、特徴しかないけど。

でもSくんは乳輪と呼ぶことに決めたようでした。いいけど、それ呼ぶ方が恥ずかしくない?

しかも一度乳輪が出ていただけでそんなあだ名をつけるのは、さすがにかわいそうなような…

 

 

 

 

乳輪がなじんでしまった

朝から元気なパートさん、アルバイトのかわいい女子大生、かっこよくて頼りになるバイトリーダー、おっとりした優しい夜勤さん……気が付くとスタッフ全員が「乳輪」というあだ名を使うようになっていました。なぜなのか。

そして例外なく私も「乳輪」を使っていました。恥ずかしいのは最初だけで慣れてしまえば結構口に出せちゃう。「乳輪」って。

ただ、かわいい女子大生がごく自然に「そろそろ乳輪用のお水補充してきますね!」と言った時は、(これ、いいのか?)と疑問が浮かんだこともありました。乳輪用のお水。そんな単語あるんだ。そんな単語を合法的に女子大生に言わせて良かったのだろうか。

とにかくスタッフ間では乳輪マヒが蔓延しており、毎日毎日、乳輪という言葉が店内を行き交う異様な現象が起こっていました。

 

 

 

 

乳輪の後遺症

5年ほどがっつり乳輪(というあだ名)を使いこんでいた為か、未だに乳輪というとあの長髪の彼が思い浮かぶし、身体の部位であるイメージが薄く、恥じらいなく言葉に出すことができます。

たぶん当時のバイト仲間たちもそうなのではないでしょうか。

 

そういえばそのことで思い出したことがありました。

私がバイト先を辞めて数か月後、友達と駅前を歩いていた時のこと。

目の前を乳輪がスクーターに乗って走っていくのを偶然見かけたのです。

それまで毎日顔を合わせていた乳輪を数か月ぶりに見て、しかもお店の外で見かけるレアな乳輪に、私はテンションが上がってしまい、つい大きな声で

「わ!今の走っていった人、乳輪だ!乳輪が走っていった!」

と興奮しながら友達へ伝えたら、

「おっきい声で乳輪って言うな!!」

とおっきい声で怒られました。

人前でおっきい声で乳輪と言えてしまう、これが乳輪の後遺症です。いや、もしかすると乳輪と呼んでいた私たちへの乳輪からの罰なのかもしれません。

今さら反省してももう遅いのでしょう。私たちに乳輪の恥じらいは返ってこないのです。

 

だからお客さんに変なあだ名をつけている店員さんは直ちにやめていただきたい。乳輪はだめ絶対。

 

 

 

おわり 

 

 

バンドマンの彼女の正しい立ち位置わかんなすぎ問題

その昔、バンドマンと付き合っていた頃、どうして良いのか分からず頭を悩ませていたことがありました。数年経った今もまだ答えは出ていません。

それは「バンドマンの彼女の正しい立ち位置わかんなすぎ問題」です。長々しくてすみません、最小限までタイトルを縮めたのですがこれが限界でした。

今日はそのことについて書いていきたいと思います。

 

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※ライブハウスのかっこいい自販機。話と関係ないです。

 

 

まず前提としてお伝えしたいのは、彼との出会いはバイト先だったということです。

バンド関係から発展した仲ではなく、バンドマンというものをよく分からずに彼女のポジションについた感じでした。

 

付き合っている間はもちろんライブを観に行きました。月に1~2回くらいのペースでしょうか。たぶん100回以上は彼のライブを観ている計算になりますが、最後まで「バンドマンの彼女の正しい立ち位置わかんなすぎ問題」の答えは出ませんでした。

 

では具体的にどういうことか書いていきますね。

 

 

 

ライブを観る位置はどこが良いのか

愛しの彼が汗でびしょびしょになってかっこよく楽器弾いてる姿なんて最前列の真正面から観たいに決まってるじゃないですか。何なら汗を、汗を浴びせてよ私に!ですよ。

でも日本人の遠慮がちな性分のせいか、よっぽど満員じゃない限りフロアの前方ってスペースが空くんですよね。そこへ1人だけ立ってたらすごく目立つわけで。

「目の前で観たいけど、目立ってはいけない」という気持ちから最前列の端っこ、スピーカーの前に立って観ていました。当時の私は誰よりも耳にプログレッシブロックの洗礼を受けていたと思います。でも出来ることなら自分の鼓膜は守りたいし、汗もあびたい。でもどうなの?

演奏する側としても、身内が最前列の真正面から観てたらやりづらいのでは?と推測していたのですが、実際は分からないままです。

個人的には星飛雄馬の姉くらいの立ち位置が理想だろうと勝手に思ってたけど、どうなの?

 

 

 

どこまで関係者として踏み込むのか

まだバンドが駆け出しの頃は集客のノルマに追われていたので、ゲスト(入場料免除で入れる)ではなく一般客として通っていました。

そのことを友人に話すと驚いていたので、恋人はゲストで入れてもらうのが普通なの?という疑問も浮かびましたが、同時に、彼は私をお客さんとしての扱っているんだな、と思いました。(ゲストで入れろ的な嫌な気持ちじゃないです)

ということは、写真撮影や物販などのお手伝いは求められてない…?変に申し出ても他のバンドメンバーにも迷惑になるのでは…?と悩んでいました。 

どれくらい関係者としてしゃしゃっていいのか問題です。

特に物販はお客さんと直接やりとりがあるわけですが、たぶんお客さんとしては演奏してる本人たちから買いたいと思うんですよね。

でも本人たちはライブの後汗だくで息も整わない内に物販対応してって、すごく大変そうなんです。手伝えるなら手伝いたいけど、いや、でも…!

しゃしゃるべきか、しゃしゃざるべきか、バンドマンの彼女は物販に立っていいのか。ずっと誰かにその答えを聞きたかった。でも聞く人がいなかった。

 

 

 

フロアにおける彼との適正な距離感とは

イベントの転換中の空き時間、バースペースでの談笑時間、終演後の打ち上げタイム…これらの時、どのように立ち振る舞えば良いのかさっぱり掴めませんでした。

例えば彼と私が話しているところにファンの女性が話しかけてきた時のことです。私は気にならないので構わないのですが、何せ正解が分からない。

私はそっと抜けて2人で話してもらった方がいいのか?いや、堂々とその場に残って3人で話すべきなのか?何ならちょっと嫉妬して見せた方がかわいい彼女っぽいのか?!

分からない、フロアでお酒を飲んでる時の彼はバンドマンなのか恋人なのか、どっちなんだ…。バンドマン…恋人……。いや、君は誰だ…?

と思想の迷宮にはまって抜け出せないことがしょっちゅうありました。

たぶん彼的には「そんなもんは空気に合わせて適当にやってくれよ」という具合でしょう。でも空気読むのって世の中で一番難しいから。

だからフロアでの適正な距離感を教えてほしい。強力なガムテで彼女の正しい立ち位置をバミってほしい…!

 

 

 

 

最後に

私は自分の気持ちが自分でもよく分からなくなることがあって、正しい立ち振る舞いとか立ち位置なんかを示してくれると、すごく安心します。

バンドマンの彼女というのはすごくフワフワしたポジションのような気がして、ファンと恋人の立場を行ったり来たり、いつも霊みたいな感じでライブハウスを漂っていました。今思うとアレ大丈夫だったのか心配です。

 

 

 

書き終って思ったんですが、たぶんこれらの問題ってバンドマンに限った話じゃないんでしょうね。そこから結局「人による」って答えに落ち着くんでしょうね。

というか本人に聞けよって話ですね。

いやぁ難しいですね、人付き合いって。

ちば犬(けん)に会ってきた

先日、ずっと昔から想っていた人に会いに行ってきました。

その存在を知ったのは10年ほど前のことです。ずいぶん時間がかかってしまいましたが…やっと会えました。

 

 

 

 

 

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その名もちば犬(けん)です。

何と言っても、そのまま千葉県の形をしている頭がチャームポイントです。

 

 

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初めて見た時の衝撃は忘れられません。

言いたいことはたくさんあったけど、まず最初に思ったのは、

よくやってくれた! という感想でした。

 

 

 

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ちなみに同じ発想で、千葉県のシルエットを全身で表現してるタイプのチーバくんもいますが、私は断然ちば犬推しです。

チーバくんよりもちば犬の方が5年早く誕生してるところもアツイ。ちば犬は千葉県模りのハシリ。

 

 

 

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千葉県を斜め横から見る日が来るなんて思いませんでした。

いいよ、いじらしい、愛おしさが止まらない。

 

 

  

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地層の厚みがすごい! たぶん海抜67kmぐらいある。

ちば犬のナマ地層にめちゃくちゃ興奮しました。

 

 

 

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昔からファンであることを伝えると、富津岬から鋸山までの東京湾沿いをなぞりながら照れるちば犬

恥ずかしがりなところもかわいい…!

 

 

 

 

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首からかけている募金箱に500円以上募金すると、なんとステッカーか缶バッジをいただけるらしい。

募金します!千葉の環境再生に是非とも役立ててください!

と思ったら手元に500円玉がなく、千円札を募金箱に入れることに。普段は募金箱へお札を入れることなど無いので少し緊張しました。

 

係のかたからステッカーとバッジの種類を選ばせて頂こうと思ったら、

 

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マスコットキーホルダーとストラップ…!

一体それは何ですか?!聞いてないですよ、そのお宝情報!

 

どうやら千円以上の募金でもらえるグッズのようでした。

全部欲しかったので、いそいそと財布から追加のお札を取り出すと、

係の女性が「え? おつりないですけど…大丈夫ですか?!」と止めに入ってくれました。

いえ、でも私は欲丸だしではありますが、募金をしたいので!

 

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制止を振り切ってちば犬グッズを手に入れました。あああ、やばい。全部かわいい。

 

 

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顔の向きが全固定の感じとかもう…!

プロフィールによると、苦手なことは「顔を横にむけること」らしいです。

 

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首を傾けると館山市の部分が引っかかるから苦手なんですね。全部かわいいですね。館山市の突出ごとかわいい。

 

 

いやぁ、念願のちば犬、ものすごい興奮しました。

 

 

ところで、こんなに好きなのに、ちば犬に会うまで10年も経ってしまったのには理由があります。ちば犬はイベント出演の告知がゆるいんです。

SNSはやっていないし、唯一の手がかりはちば環境再生基金のホームページ内のちば犬日記なんですが、微妙に出演情報を告知したりしなかったり、なんなら「出演したよ!」みたいな事後報告で終わってたりで、追っかけづらさがすごい。

なので古い日記を見て「去年はこのイベントに出てたから、今年も出るかもしれない行ってみよう」みたいな大体の予想をして会いに行く感じですね。

あたりをつけて会いに行くマスコットってハードルめちゃくちゃ高くない…?なんて思ってたら10年経ってました。もっと強い気持ちを持たないとだめですね。

 

いや、でも今回行って良かった。ああ、かわいかった。これからも応援してます。 

 

 

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 ちば犬に会った後は本当に嬉しくて、海へ行き思いを馳せました。

 

ありがとうございました。

「何の形でしょうか?」花火を当てにいきたい

先日、千葉市民花火大会(幕張ビーチ花火フェスタ)へ行ってきました。

千葉といえばこちらの花火大会。毎年楽しみにしております。

 

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今年もめちゃくちゃ良かったです。

 

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こういうド派手な花火も感動的で良いのですが、私のお気に入りは、合間に打ち上がる地味な花火です。特に何かを模してる系花火が熱い。

 

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例えばこういうの。これは流れ星ですね。

この「何の形でしょうか?」と言わんばかりの花火、好きなんですよね。クイズ的な楽しさというのでしょうか。

すぐに消えてしまうので、瞬時に正体を見抜かなくてはいけない緊張感もたまりません。

 

 

それでは今年も「何の形でしょうか?」花火が豊作だったので、色々貼っていきたいと思います。

 

 

 

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ハートですね。かわいい

 

 

 

 

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ハート別バージョン

 

 

 

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お花でしょうか、カラフル

 

 

 

 

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パイナップル。初めて見ました

 

 

 

 

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チーバくん

チーバくんの登場で会場は一気に湧き立ちました。

 

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このシルエットを表現する技術すごい

 

 

 

 

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これは何でしょうか。

 

 

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蓮の妖精、ちはなちゃんでした。

「ニコちゃんマークだ」って会場から声が聞こえてきたけど、君だよね、ちはなちゃん。

 

 

 

 

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でも君は誰なんだ。

会場の誰ひとり正解を知らないので、「え、なに今の?」「キノコ…?」「分かんないけど人っぽかったね」などざわつく雰囲気も好きです。

 

 

 

 

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これは私です。

 

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花火になって嬉しかったです。

 

 

 

 

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カエル。色も形も完璧!

 

 

 

 

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これ何だか分かりますか?

 

 

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ドラえもんの顔面でした。顔のパーツだけを花火に?!という驚きがありました。

 

 

 

 という感じで、今年も楽しい花火大会でした。

 

 

 

 

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(↑去年の花火大会)

今年はなかったので残念でした。来年は復活してほしい

食べづらい食べ物は食べがいがあっておいしい

私はベーグルが大好物です。

ベーグルの中でも一番好きなのは、ニューヨークタイプのハードなベーグルでございます。

 

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大きさ、そしてギチギチに詰まった生地の噛みごたえがたまりません。

半分くらいまで食べた辺りでアゴが痛くなります。カッタイです。うまいうまい、アゴ痛い、つらい、でもうまい、という感じに必死に食らいつきます。これがやめられません。

この感覚にハマるのには理由があって、簡単にいうと、

食べづらい分、集中して食事に取り組めること。食材の味をしっかりと味わえるところにあります。

「食べづらい=食べがいがある=おいしい」という理論です。

 

 

  

今まで食べたベーグルの中で、もっとも食べがいを感じたのは、こちらのベーグルでした。

 

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野菜をめちゃくちゃ挟んだサンドです。

ヘルシーなのに乱暴で、乙女心をかき乱す厚み。最高でした。

最後は野菜汁でぬろんぬろんの手になりましたが、食後の達成感がすごかったです。

 

 

 

厚みのある食べ物は分かりやすく食べづらいので、率先して食べます。

 

 

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こちらはポタスタというサンドイッチ屋さん。最近、店舗が増えてきて嬉しい。

 

 

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レタスとスクランブルエッグのサンドイッチです。

ただ持ってるだけで握力を削っていく厚み。最高です。

正面からかじろうとすると、レタスが自分の目のくぼみにフィットしてしまうので、側面から少しずつかじりました。

工夫を凝らしじっくりと食べることで、よりおいしく感じました。

 

 

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このお店のサンドイッチは他もまん丸でかわいらしいです。これ一番好きなやつです。

 

 

 

 

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東京タワー内モスバーガー限定の14段バーガー

 

 

 

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この高さ。見事にタワーを体現しておられる。素晴らしいです。

 

 

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このまま放ったら魔球でも投げられそうな必死の握りをご覧ください。

 

 

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正面から真っ向勝負を仕掛けたのですが、ひと口目は上段のバンズのみ、ふた口目は下段のバンズのみ口に入っただけで終わりました。

3口目から付属のフォークで普通に食べました。

「ふふ…無理無理…」とニヤニヤしながら食べるのもまた一興です。

 

 

 

 

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サブウェイでエビ好きにはたまらないサンドイッチを見かけました。

 

 

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エビはたっぷりと15匹も入ってるようです。

 

サブウェイで「エビを限界までトッピングして下さい」と注文したらこうなった | ロケットニュース24

 

そういえばロケットニュースで↑の記事を見て当時興奮したのを思い出したので、私もエビ限界サンドをやってみることにしました。

 

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さらに15匹足し、30匹で編成されるエビの集合体

 

 

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こぼれエビを前に私もこぼれニヤニヤ

 

 

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一瞬でも油断するとエビがポロリします。ポロリは良いものです。興奮します。

味はエビでした。というか他の食材の味がほぼゼロに等しかったです。エビは強い。

「私は今、巨エビを頭から丸ごと吸っている」という感覚になり最高でした。

 

 

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食後の巨大エビフライ 

 

 

 

 

 

 たまに自分でも食べづらい食べ物を作ります。

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 作る過程でムラムラしてしまい、その場ですぐ食べてしまうのはやめたいです。

 

これからも食べづらい食べ物をどんどん食べていきたいと思います。

ありがとうございました。