はじめての丸亀製麺はセンスと度胸を求められた

 

丸亀製麺に憧れて、以前このようなブログを書いておりました。

 

oni-gawara.hatenablog.com

 

丸亀製麺について座学で勉強したけどよく分からないので、実際に人に連れていってもらおう! という内容なのですが、うっかり1年3か月も経ってしまいました。

今回はこれの続き、はじめて丸亀製麺へ行ってみた編です。

 

 

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約束の時間より少し早く改札前に着いた。

緊張しながら自作の丸亀メモを取りだす。

 

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やっぱり分からない。分からないことをそのまま分からないと書いてあるんだから分かるわけがない。

でも今日は丸亀製麺に行き慣れている先輩が付き添ってくれる。こんなに心強いことってない。

先輩と合流し、お店へ向かいながら、はじめて食べるべきうどんは何かと質問してみた。

先輩もよく分からないとのことだった。日常的に行くがそんなにしっかり丸亀製麺について考えたことはないらしい。

私が不安げにしていると、先輩はこう続けた。

こういうのは難しく考えずにフィーリングで決めると良い。結局、自分が一番食べたいと思ったものが一番おいしいのだよ、と。

先輩……! 私、正解を求めるあまり、自分の心をないがしろにしてました。先輩のありがたいお言葉、胸にとめておきます。

 

そんなやり取りをしていたらお店に着いた。

 

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様々なうどんのメニューに、湯気でよく見えない店内。

いよいよ、この湯気の中に飛び込むのだと思うと緊張してきた。

 

先輩がさっと入っていったので、私も続いて入店した。

カウンターに沿って並び、タイミングを見て大きなトレーを1枚とる。

メニューをもう一度確認したかったが、見当たらない。先輩が頭上を見ていたので、視線の先を追いかけるとメニューがあった。良かった。安心したいから注文の直前までメニューは視界に入れておきたい。

ずっと頭上を凝視しておきたいが、カウンターの向こうも気になる。厨房は湯気が充満していた。真っ白な世界。その中を数人の店員さんが忙しそうに動いている。

不意にカウンター越しに店員さんが話しかけてきた。

自分の母親ぐらいの年齢の人だったが、頬はほんのりピンク色で、艶やかなお肌をしていたのでつい見入ってしまった。うどんの蒸気は美容に良いらしい。

などと悠長に考えてる場合じゃなく、うどんの注文をしなくてはいけない。 

 

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前に並んでいた先輩を見たら、もうすでに注文したうどんを受け取り、遥か先の天ぷらコーナーへ手を伸ばしていた。

私の後ろにはいつの間にか列ができ、次々と店内へ人が入ってきている。

ここであたふたしていたら列の流れを止めてしまう。昔スキー場でリフトから降りられずリフトを止めてしまったトラウマを思い出した。あれから私は二度と列の流れを止めないと誓ったのだ。

 

「冷たいぶっかけうどんの並をください!」

 

言えた。焦りのおかげでむしろ素直に気になっていたうどんを注文できた気がする。

しかも私は冴えていた。目の前のトッピングメニューに気がついたのだ。

 

「あと温泉玉子もください!」

 

大成功である。丸亀製麺、極めたり。

成功者として余韻に浸る間もなく、うどんがトレーに乗せられた。並だけどけっこう量がある。

先輩の背中を追いかけ、天ぷらコーナーへスライドしていく。

スポットライトに照らされて天ぷらたちは光り輝いていた。どれもおいしそうで迷ってしまうが、うっとりしている場合ではない。ここでもすばやい動きを求められているのだ。丸亀製麺はスポーツだ。

 

無事に天ぷらをお皿に乗せ、お会計。

店員さんが慣れた手つきでずばばばとレジを打つ。バーコードを使わないレジ打ちってかっこいい。

 

トレーを持ち、先輩の後を追いかけた。

席へ向かうのかと思いきやたどり着いたのはこちら。

 

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バットいっぱいに入った揚げ玉と薬味ねぎ。

「かけ放題」という言葉が頭をよぎった。私たちは丸亀製麺に試されている。怖くて手が出せなかった。

 

 

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薬味コーナーの隣には、何かが入ったポットや何かが入ったソース、タレなどが無造作に置いてあった。初見殺しの液体コーナー。

だしソース……天ぷらにかけるのか……? いや、リスクが高すぎる。液体コーナーはスルーしよう。

 

 

……さぁ、いよいよ食べるぞ!

 

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ぶっかけうどんに温泉玉子をトッピング、お供に半熟玉子天とちくわ天。玉子がかぶってしまった……

うどんに玉子をトッピングした後に、半熟玉子天というこれ以上ない私のハートを揺さぶる存在を見つけてしまったのだ。どうしても諦められなかった。

「かぶり」という初心者らしいミスをやらかしてしまったが、これもまた経験。次は広い視野を持ってチャレンジしたい。

 

ちなみに丸亀製麺を知る者として付き添ってくれた先輩のうどんはこんな感じだった。

 

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親子あんかけうどん、かしわ天、イカ天

せ、先輩! 鶏がかぶってるじゃないですか!

どんなに行き慣れた者でも天ぷらかぶりの罠は逃れられないようだ。

 

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うどんも天ぷらもすごくおいしかった。

特にうどんは予想以上にコシと弾力があって、欲張って一気に口へ入れたら溺れそうになった。あのモチモチは思った以上に手強い。

次は気になる釜揚げうどんを食べてみたいと思う。あと勇気をだして液体コーナーにも手を出したい。

 

ありがとうございました。

UQモバイル店頭のガチャピンとムックを5ヶ月間見守った記録

子どもの頃、欠かさず見ていた番組といえばポンキッキだった。

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私はポンキッキに出てくるガチャピンとムックが大好きだった。今や2人は老若男女だれからも愛される国民的キャラクターである。

あのずんぐりとしたボディラインとおとぼけフェイスの味わいにみんな夢中に違いない。

 

ところで、数年前からこれまでと違う装いのガチャピンとムックを見かけるようになった。

 

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ピンクのガチャピンと青いムックだ。UQモバイルのCMや広告に出てくるので、一度は目にしたことがあると思う。

ガチャピン=緑、ムック=赤というこれまでの常識を覆す奇抜なカラーリングを見て私は思った。すごくいい! かわいさはそのままで洗練された感じがしてステキ。

そんなスタイリッシュに生まれ変わった彼らとは、UQモバイルの店舗で気軽に会えるものだから、つい店頭で立ち止まって愛でてしまう。

 

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サイバー空間のポンキッキ。かっこいい。

すらりとした足で立ちあがったら7頭身ぐらいありそう。

 

 

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どうやら長い足は三輪車にまたがる為のものらしい。

いいなぁ、このぬいぐるみ欲しいなぁ。

お店の前を通りがかる度に物欲しげに見つめてしまう。

 

 

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いつものようにガチャピンとムックを眺めていると、私はある違和感を覚えた。

あれ、もしかして……? いやいや、まさか。

……明日も見に来てみよう。 

 

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その翌日、違和感は確信に変わった。

 

 

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日替わりでフォーメーションが変わっている。

店先で興奮してしまった。まるで生きてるみたいじゃないか。素敵!

次の日から私は2人のフォーメーションに注目するようになった。

 

 

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ギリギリまで前に出てる日もあれば、

 

 

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背中を向けている日もある。

この日は豪雨だったので、店先に入りこむ雨風から身を守っていたのだろう。

 

 

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晴れたら大丈夫。最前線まで攻める。

 

 

 

初めて動きまわる姿を目にした時は、ギャーっと声をあげそうになった。

彼らは長い足で器用に三輪車をこぎ、ゆっくりと回りながら、惜しげもなくかわいさをアピールしてきた。

そういえば、なぜヒモでつながれているのか不思議だったが、こうやってポールの周りを回る為のヒモのようだ。

 

完全にハートを撃ち抜かれた私は、毎日彼らの様子を見に行った。

 

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なにか内緒話でもしているのか。

 


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お店の前を通りがかる人たちへのアピールも忘れない。

 


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小さな子犬とすれ違った時のように、彼らを見かけた人々はウフフと微笑みかけてしまう。

 


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この日はちょっと様子が違った。


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子どもがいた……!

体とハンドルの間に挟みこんだ直チャイルドシートスタイル。大胆だ。

 


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それにしてガチャピンの前傾姿勢がレーサーみたいでかっこいい。

 


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と思っていたら翌日、大事故が起こっていた。衝撃映像……!

ポールを移動したらこうなってしまったのだろうか。

 


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翌日、奇跡の生還。彼らは強い。

ちなみにガチャピン(ピンクガチャ)は龍、ムック(ブルームク)は鬼らしい。こう見えて強靭な肉体の持ち主なのだ。

 


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4人編成で、よりかわいさに拍車がかかった。

 


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……あれ?


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こどもが入れ替わった。いや、元に戻ったというのが正しいのかもしれない。そっくり親子。

 


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2か月が経った頃、突然ガチャピンがいなくなり、ムックだけが店頭に立つようになった。

 


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1人きりのムック。心なしか寂しそうだ。私も寂しい。

 


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ガチャピン失踪から5日目、しれっといつもの位置にガチャピンが戻ってきた。

ずっと心配してたんだから! どうかもういなくならないでほしい。

 

こうして私は来る日も来る日も2人を見守り続けた。

 

 

 

 

ガチャピンとムックのひそかな夢

 

長い期間2人を眺めていたらあることに気がついてしまった。

数枚の写真を連続で見ていただきたい。


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もしかして

 
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お店の外へ出ようとしてる……?

 

絨毯部分はお店の敷地で、銀色のラインから向こうは外の世界(アーケードの通路)。

どう見ても彼らはラインの外を目指していた。


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一度そう思ってしまうと、今までのようにほのぼのした気持ちで見守ることができなくなった。

2人はきっとライバルだ。我先にと競うようにして外の世界へ飛び出そうとしている。

私はそんな彼らを見てハラハラが止まらなかった。

 


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ガチャピンのつま足が外の世界へ!

文字通り、ガチャピンが一歩リードしているようだ。


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いや、ムックも負けじと全身で攻めている。

 


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ここでガチャピンによる妨害が!

 


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体勢を崩しながらもライン越えを目指す2人

 


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ガチャピンが大きく右にそれた隙をついてムックが前へ出る


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ガチャピンも懸命に足を伸ばし対抗する

 


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お互い譲れないデッドヒート!

 


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果たしてどちらが先に店外へ飛び出すのか。自由を手に入れるのはどっちだ?!

 

 

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同じような写真が続くので、ちょっとブレイク。これは美人のケルベロス

 

 


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そして、ついに運命の時が訪れた。

先に外の世界へ飛び出したのは……

 

 

 

 


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ガチャピンだーー!!!

 

はじめこそハラハラしながら見守っていた私だったが、彼らの必死な姿にいつの間にか応援するようになっていた。

おめでとう。ヒモにつながれながらも、ついに自由の身を手に入れたんだね。感動で胸がいっぱいだ。

 


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翌日、見えない力により彼らは店内に戻されていた。

それでも彼らは三輪車をこぐことをやめない。がんばれ、もう一度、今度こそ外の世界へ行こう。

 


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二度目の決定的瞬間は思っていたよりも早く訪れた。

外の世界へ飛び出したのは……

 

 

 

 

 

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今度はムックだーーー!!

 

本当によくやったと思う。本来、ラインより先は足を踏み入れることさえ許されない禁断の地。それを堂々とはみ出している。彼の勇気を称えたい。

 


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翌日、強めに引き戻されてひっくり返っていた。ああムック……!

でもきっと何度だって彼らは起き上がるだろう。だって龍と鬼だから。すごく強いはずだから。

  

 

 


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と思っていたら、店頭から彼らが消えた。

突然の別れに腰がくだけそうになった。

 

5か月間、ガチャピンとムックの様子を眺めるのが私の日課になっていた。毎日のささやかな楽しみだった。

もう彼らには会えないのだろうか。一体どこへ行ってしまったんだろう。

いや、もしかして本当にお店から飛び出して自由の身になったのかもしれない。

そう思うと少しだけ心が晴れやかになった。

 

 


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後ろを振り返ると、店内の奥の奥のほうでデッドヒートを繰り広げている彼らがいた。

まだやってた!

がんばれ、戦いはまだ始まったばかりだ。

 

 

 

 

 

【おまけ】2人の勝敗結果

 

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ガチャピン・・・18回

ムック・・・・・14回

引き分け・・・・  8回 

 

※ソロの日、回っていた日、子連れの日、後ろ向きの日などは除く

 

クリスマスに鼻毛カッターを

 

12月上旬、彼氏とこのような話になった。

 

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己のプレゼントセンスを見せつけあう、要はふつうにプレゼント交換なんだけど、この約束でクリスマスがすごく楽しみになった。

プレゼントって貰うのも嬉しいけど、あげるほうが楽しさは上かもしれない。

相手を喜ばせたい。あっと言わせたい!

私はこの日から彼にあげるプレゼントのことで頭がいっぱいになった。

 

 

 

プレゼントを考える

 

プレゼントは何がいいだろうか。

寒いからセーターとかマフラー……? いや、ベタすぎるか。おしゃれなソックス……? ファッション系は人を選ぶから外すべきか。

本当にほしいもの、必要なものをプレゼントしたい。さらに言うと、自分では買わないようなところを攻めたい。そう、自分で3000円出して買うという発想に至らないが、あったらすごい便利じゃん! という感じでいきたい。

 

一週間ほどかけて私は最適なプレゼントを思いついた。

鼻毛カッターだ。電動の、ちょっと良いやつ。

勝ったと思う。いや、このプレゼントセンス対決、圧勝を確信した。これに敵うプレゼントを用意できるのかちょっと相手が気の毒になるぐらい。

 

もちろん鼻毛カッターに決めた理由はちゃんとある。ギャグとかじゃない。

まず、彼の鼻からは6割ぐらいの確率で鼻毛が出ている。

鼻炎気味でよく鼻をかんでいるからかもしれない。

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 鼻毛ごときで冷めるような愛は持ち合わせていないが、話していると視界に入るので気になるは気になる。

眉毛やヒゲだって同じ毛なのに、鼻毛だけは人の目をひきつける魔力を放っていると思う。

 

 

 

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1本ぐらいなら可愛げがあるけど、たまに小筆ぐらいのボリュームで飛び出しているのでびっくりする。

ところで、鼻毛を発見した時ってその場で指摘するべきなのだろうか。ちょっと気まずくなりそうでこわい。

それに指摘するだけして、後は自分でどうにかしてちょうだいなんて無責任だと思う。

処理する道具を渡してこそ優しさというものだろう。

だから鼻毛カッターをプレゼントすることに決めた。ウケ狙いとかじゃない、こういう愛の形。きっと喜んでくれるに違いない。

 

 

 

 

どの鼻毛カッターを選ぶか

 

お店へ買いに行く前に、鼻毛カッターがどういうものなのか調べておきたい。

「鼻毛 電動 カッター」で検索すると山ほど商品が出てきた。形状や機能がいろいろあって、これは選ぶのも大変そうだ。

 

 

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鼻毛をそのままにして自信を失っている男性の画像を見かけて、一気に使命感が湧き出てきた。もはや鼻毛の飛び出しは頭を抱えるほどの問題なのだ。

 

口コミやレビューを漁りまくって、2つの商品にしぼった。

やはり大手メーカーの技術を信頼したい。家電でおなじみのパナソニック製のものと、シェイバー業界で有名なフィリップス製のもの。

 

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それぞれ刃の形に特徴があって、パナソニック製のものは先端が円柱でつるっとしている。内側に電動の刃が内蔵されていて、直接肌に刃を当てることなく安全に鼻毛を処理できる。ただし、まれに鼻毛が刃に巻き込まれて痛い場合があるらしい。

フィリップス製のものは、先端ではなく側面に刃がついている。構造上安全ではあるが、人によっては刃が肌に当たることに抵抗があったり、位置的に操作が難しいと感じるようだ。

鼻の穴の大きさや形、鼻毛の長さによって使いやすいものが違うらしい。難しすぎる鼻毛カッター

 

鼻毛についても調べた。

年齢を重ねると代謝が落ち、毛の生え変わる周期が長くなるため、鼻毛が伸びてしまう。男性ホルモンは毛を太くする作用があるので、大人の男性は長くたくましい鼻毛に悩まされているそうだ。

サイトによっては、鼻毛を抜いた毛穴から雑菌が入り、その菌が脳に侵入して脳炎になり最悪死に至るみたいな物騒なことも書いてあった。

私の中でどんどん鼻毛の存在が膨れ上がっていく。

 

 

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一日中、夜は眠りにつくまで鼻毛カッターのことを考えた。

彼の鼻の穴はどういう形だったか思い出したり、鼻毛の長さに思いを馳せた。

 

 

 

 

フィリップス製に決めた

 

結局どちらにするか決まらないままヨドバシカメラへ。

売り場で実物を手にとって30分ほど悩んだ。商品を見ていると店員さんがすかさず寄ってくるはずだが、一度も話しかけられなかった。スルーしてくださった店員さんに感謝しながら、悩みに悩んで最終的にフィリップ製のものを買った。

 

 

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水しぶきが飛び散るさわやかなパッケージ

 

 

 

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決め手は本体のお手入れがしやすそうなところ。水で丸洗いできるし、刃が複雑な形じゃないので洗うのも楽そう。

 

 

 

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痛いのはかわいそうなので、毛を引っ張らないという点も良い。 

 

 

 

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眉毛や耳毛用のコームもついているので、いろいろ活用してもらいたい。

 

 

 

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写真の並びのせいで鼻毛と耳毛の同時プレイみたいになってるハンサムなおじさんもイカしていた。

 

 

 

 

 

クリスマスイブ当日

 

いよいよこの日を迎えた。ここ数日、生涯で一番鼻毛について考えた。一刻も早く渡したい。だって今も彼の鼻から毛が出てるから。私の意識をつかんで離さない存在が、まるでアピールするかのように顔を出している。

実は自信満々に選んだ鼻毛カッターだったけど、ほんの少しだけ不安にも思っていた。彼のプライドを傷つけるかもしれないとか、モラルのない彼女だと思われるかもしれないとか。でも、前日に何人かの男性に聞いてみたのだ。鼻毛カッターをプレゼントするってどうなんでしょうか? と。大丈夫だった。みんな背中を押してくれた。

自信をもって鼻毛カッターをプレゼントしよう!

そう思うと、私は待ちきれなかった。ランチを食べ終えたところで彼に切り出した。

 

「プレゼント交換、ここでしちゃう?!」

 

「…………今思い出した…………プレゼント交換……………」

 

彼の顔色が青白く染まっていくのを確認した。

実はなんとなく彼がプレゼントを忘れてくることを予想していたので、そんなにショックじゃなかった。

彼は前々日から関西へ出張していた。この日新幹線で帰ってきた足でそのまま東京駅で私と会っている。出張先にプレゼントを持っていくとは思えない。

イブの待ち合わせを決める時点で、彼が東京駅に着いてから一度帰宅してプレゼントを持ってこれるよう余裕をもった待ち合わせ場所と時間をそれとなく提案したが、ふつうに東京駅集合になった。

たぶんこの人忘れてる……! そう思っていたので、当日プレゼントがなくても驚きはなかった。むしろそれはそれで面白い展開になりそうだと思い、言わないでおいた。

私は、やらかした時の青白い顔をした彼がたまらなく好きなのだ。

 

ひとしきり顔の青白さを楽しんだあと、いよいよ私のプレゼントを渡す番になった。 

彼が紙袋からプレゼントを取り出し、ラッピング越しに中身を予想する。

 

「え~なんだろ、四角いな。なんだ~?」

 

ラッピングの包みを開放し、鼻毛カッターを目の前にした彼は言葉を飲んだ。表情もかたまっている。

さぁどうだい、これが私のプレゼントだよ! 最高でしょうに!

 

 

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 「おれ、持ってるよ」

 

 

 

持ってた。

ショックだった。彼がプレゼントを忘れてきたことよりも、すでに鼻毛カッターを持っていたことが何よりも激しくショックだった。

 

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じゃあ、持ってるやつと合わせてこの同時プレイも出来なくはないってこと?! 

いや、鼻毛カッター持ってたなら、小筆みたいのが鼻から飛び出てた日はなんだったの?! 

私は動揺が止まらなかった。

 

高島屋の落ち着いた中華のお店で、青白い顔をした男と、動揺で目をぐるぐるさせた女が向かい合っていた。はたから見ればクリスマスによくいるありふれたカップルだろう。実際はすごく神妙な空気だった。

メリークリスマス

 

最高のスポット「岩下の新生姜ミュージアム」へ行った思い出

兄夫婦と私の3人で日帰り旅行にいくことになった。

兄と私は特別仲が良いというわけではない。かといって仲が悪いというわけでもない。感覚的に法事の時だけ顔を合わせる親戚のおじさんのような存在だと思っている。

兄嫁はとてもかわいらしい人なのでぜひ仲良くなりたい。でも、わたしの家族は昔から親戚が少なかったせいか親戚同士の適切な距離感というのをつかめていない。なので兄嫁の前だとちょっともじもじしてしまう。

そんなある日、どういう流れでそうなったか忘れたけど、兄夫婦と栃木県の「岩下の新生姜ミュージアム」に行こうという話になった。

いつか行けたらいいね~かと思ったら、ぜんぜん普通に行くことになった。

ということで今回は、ふわふわとした関係性の親族でいく日帰り旅行の思い出を綴っていきたい。

 

 

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下道でのんびり向かう

 

今日は兄が一日運転をしてくれるらしい。運転中、眠くならないようみんなで盛り上がっていきたい。

BGMは兄夫婦が持ってきた大塚愛のライブDVD。

「あれ、大塚愛のこと好きだったんだ、知らなかった」

と兄夫婦に言ったら、特に好きではないとのこと。当時流行ってたからなんとなく買って、今もなんとなく聞いているらしい。2人を見たら確かに無表情で大塚愛を聴いていた。こわい。私も大塚愛に対して特に思うことがないので気まずい。

盛り上がってるかーい?と、13年前の大塚愛がスピーカー越しにあおってくる。私たちは無の感情でそれを受け止めた。

最後は「大塚愛ってけっこう関西弁なんだね」「そうなんだよ」という会話をして不気味なライブは幕をとじた。なんなんだ。

 

 

 

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埼玉県にさしかかった頃、「家族レストラン坂東太郎」という看板をちょくちょく見かけるようになった。気になる。

坂東太郎の看板を車内から執拗に撮っていたら、兄がそんなに気になるなら見に行ってみようと提案してくれた。

 

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坂東太郎のかっこよさにしびれた。まだオープン前の誰もいない駐車場を一周して色々な角度から坂東太郎を眺める。良い。さっきの無の大塚愛はなんだったんだというぐらい車内は盛り上がった。

 

 

 

 

 

県境を眺める

 

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出発してから3時間。道の駅きたかわべで休憩。

 

 

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でっかいおにぎりにはロマンがあるね。

 

 

 

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道の駅のむかいにあったスポーツ遊学館に入ってみることに。屋上に展望デッキがあるようだ。

 

 

 

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景色を撮ろうとすると必ず兄がピースしながら入ってくる。やめて。

 

 

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展望デッキからちょうど埼玉県と群馬県を走り抜けるランナーを目撃できてよかった。

 

施設の係員さんによると、すぐ近くに埼玉県、群馬県、栃木県の県境があるらしい。全国でも平地にあって歩いて行ける3県境はここだけとのことだった。それはぜひとも見てみたい。

 

  

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徒歩5分ぐらいらしいので、散歩がてら行ってみよう。

 

 

 

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堤防沿いの菜の花がとてもきれいだった。

 

 

 

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畑のあるのどかな風景

 

 

 

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のどかで落ち着くね~と3人で言い合いながらのんびり歩く。

 

 

 

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そしたら背後から工事のおじさんが「おーーい」と声をかけてきたので振り返ると、「3県境ならここだよ」とジェスチャーしていた。

そこに3県境が?! 

 

 

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すいやせん、すいやせん、と言いながら見に行く。

 

 

 

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ここが3県境…… 

 

 

 

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埼玉県、群馬県、栃木県の境目……!

 

 

 

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こんな感じであるんだ3県境!

 

 

 

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3県を股にかける夫婦

 

「ここが3県境でござい!」と仰々しくアピールするでもなく、ただ「ある」という感じだった。それがすごく良くて、のどかな風景ともマッチしていたと思う。

 

 

 

 

 

佐野ラーメンを食べる

 

栃木県といえば佐野ラーメン。これは食べておきたい。

 

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http://sano-kankokk.jp/goods/580/

佐野市観光協会のページもラーメン推し。かわいいキャラが決死の麺リフトをしている。

 

 

まずは佐野駅近くの「らーめんミニ博物館」へ向かうことにした。ここには色んなお店の佐野ラーメンフィギュアが飾ってあるらしい。

  

 

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それにしても、ゆるキャラさのまる君がかわいくて気になってしまう。さのまる君は頭に佐野ラーメンを、腰にイモフライの剣をさしている。かわいい顔してなかなか脂っこい装備だ。

 

 

 

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イモフライの剣がでかすぎる

 

 

 

  

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ラーメンフィギュアは臨場感がすごかった。本当に実物を見比べてるみたいな。すべての観光地でこのシステムを導入してほしい。

 

 

 

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どのラーメンもおいしそうで、これから食べるべきラーメンを3人で話し合った。自分が気になったラーメンをプレゼンし合うのも楽しい。

 

 

 

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食べたラーメン。お店の名前は忘れてしまった。

鶏ガラの澄んだスープが大変おいしかった。ラーメンのなかで佐野ラーメンが一番好きかもしれない。

 

 

 

 

岩下の新生姜ミュージアムを見学する

 

スーパーやコンビニのお惣菜コーナーでよく目にする岩下の新生姜。それのミュージアムだ。

ここは良いぞと常々うわさを耳にしていたので期待が高まる。

 

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兄夫婦は新生姜ミュージアムがどんなところなのか事前情報を一切入れてきていないらしい。

イメージしていたよりも立派な外観にテンションが上がっていた。よかった。

 

 

 

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入口で新生姜グッズを手に取る兄。新生姜のペンライトらしいのだけど、この形って……。兄嫁をちらっと見たら無表情だった。兄も無言だし、私もどうしていいのか分からなかった。ふわふわとした親族で来る場合は、新生姜のペンライトを手に取ってはいけない。

 

 

 

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様子がおかしかったのはペンライトだけで、他はかわいらしいグッズばかりだったのでひと安心。これは漬け汁の自販機。

 

 

 

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岩下の新生姜の香りのルームフレグランス。刺激的なのかと思いきや、さわやかで良いにおい。

 

 

  

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創業1987年から現在までのパッケージギャラリー

  

 

 

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こんなにも視界を岩下の新生姜にジャックされたことはない。

 

 

 

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どの展示も見せかたが大胆で目を奪われてしまう。生姜ってアートだ。すごくきれい。

 

 

 

 

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岩下の新生姜は、一般的な根しょうがと明らかに形が違う。

 

 

 

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こういうことらしい。手間がかかってるんだなぁ。

学びになる展示も多くておもしろい。

 

 

 

 

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私が一番心を動かされたのは、この新生姜の部屋。

中に入ると……

 

 

 

 

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新生姜がベッドで休んでいた。いや、新生姜の部屋だからそれはそうなんだけど。なんで?! という感情が止まらない。

 

 

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新生姜の独特な形状がこの世界観を作り出しているのだろうか。わからない。興奮してたくさん写真を撮った。最高の部屋だった。

 

 

 

 

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でっっっかい岩下の新生姜になれる顔はめモニュメント。やはりでっかいものにはロマンがある。

しかも時間になるとここでプロジェクションマッピングが始まるらしい。

 

 

 

 

※ぜひ音声つきでお楽しみください

 

 

 

岩下の新生姜ミュージアム、こんなに素晴らしいとは。ふざけてるのかと思いきや大まじめで、そこがまたおかしくて、すべての展示が全力だった。こちらも全力で楽しませていただいた。

この充実っぷりで入場料無料って一体どうなっているんだ。なんなら私は支払いたい。

 

 

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最後にみんなでオリジナルジンジャエールを飲んだ。ぴりっとパンチがあって締めくくりには持ってこいの味。

 

 

 

最初は不安もあったけど、ふわふわとした親族でいく日帰り旅行はすごく楽しいものになった。ありがとう栃木県。

めでたしめでたし

 

鍋のシメについて私は何も知らない

 

鍋のシメに何を入れればいいのか分からない。

お米なのか、麺なのか。どの鍋に何を入れてシメるのか。

私が鍋のシメ勘がないことに気づいたのは、あるラジオを聴いている最中だった。

  

【023】長島・加藤のイうてるマにイっちゃってる「VR買っちゃってる」 | オモコロ

 

ラジオでMCの長島さんと加藤さんが、お題となる鍋に最適なシメを「せーの」で言い合うやつをやっていた。

その内容を表にまとめてみるとこんな感じ。

 

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お2人の意見はほとんど一致していて、とても盛り上がっていた。

私はその楽しげな会話を聴きながら、背筋に冷たいものが流れるような気がした。

分からない。いっこも分からなかった。

今まで気づいてなかったけど、私は鍋のシメに関する知識がぽっかり抜け落ちている。

 

 

 

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例えば、カニすきは雑炊が正解らしい。

カニのうまみが存分に出たダシをお米に含ませる。これは分かる。絶対においしい雑炊ができるだろう。

ところが、(鳥の)水炊きには中華麺が正解だという。

中華麺で当たり前といった空気で進行しているラジオをよそに、私は1人ショックが隠せなかった。

同じダシ系なのに雑炊と中華麺のパターンが?! という驚きである。

「ダシを米に含ませる」という学びは水炊きには通用しないのだ。

あと、麺の種類ってうどんだけじゃないんですか?! という驚きもあった。

お米と麺の使い分けもままならないのに、麺の種類まで展開されてしまうともう何も分からない。

 

 

 

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すきやきの場合は、満場一致でうどんとのことだ。

牛丼のノリでごはんもありなのかと思ったので意外だった。

でもこれでちょっと分かった気がする。

味が濃い鍋にはうどんが向いている。濃厚スープには太麺が合う。ラーメンでよく聞くやつだ。

ところがキムチ鍋、君は一体なんなんだ。

濃い味なのにお米もうどんも良いらしいじゃないか。チーズリゾットすごいおいしそう。

 

 

だめだ、思考回路が飛びそうだ。

鍋とシメは規則性があるようでない。ダシの種類、濃度、テイスト、何を基準にしてシメをあてがえば良いのか見当もつかない。

シメの選択にはいわゆるセンスが必要なのだろうか。経験や知識があれば自然と導きだせるのだろうか。

 

 

 

 

……ここまで書いて思い出した。

思い返すと、私が子供の頃に食べていた鍋は味がしなかった。

鍋に水をはり、昆布をひと切れ入れる。沸騰してきたら昆布を取り出し、野菜やお肉を入れ完成。

スープの味はまったくしない。ひと切れ入っていた昆布のダシはどこにも出ていない。あれは昆布じゃなくてゴム片だったのか。

そんな感じで、うまみも塩気もゼロのスープが出来上がる。人はそれをお湯と呼ぶ。

私たちはお湯と具材を取り皿によそってポン酢をかけて食べていた。ポン酢は味があっておいしかった。

最後のシメは決まってお米。味がないので、おかゆみたいだった。

嫌いじゃなかったけど、家庭ではこの鍋しか出たことがない。

 

外食でも鍋を食べることはなかったように思う。

何度か行ったしゃぶしゃぶは、うちの鍋と同じようにお湯に昆布がそよいでいたので、「鍋ってお湯だな~」という思いに拍車をかけた。

こうして私の脳は、鍋に関して知覚する部分だけ赤ちゃんのまま大人になってしまった。

だから私は鍋について何も知らない。

今後は色々な鍋と向き合い、鍋やシメのことを真剣に考え、成長していきたい。

 

 

 

 

ところで先日、自然薯専門店でお鍋を食べたんですが、

 

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すごくおいしかった。 

和風だしのスープでホルモンと野菜を煮込み、仕上げにネバネバの自然薯をかけた豪快な鍋。

本当においしかったけど、あれからずっと悩んでいる。

これの最適なシメってなんだったんだろう。

透明な和風だしはお米に含ませるべき……?

自然薯のねばねばを絡ませるなら麺を……?

その場合は細麺……太麺……?

 

 

鍋脳が赤ちゃんの私には無理難題だった。わからない。

 

 

「ザ・クレープ」それは大人を翻弄する恐ろしいアイス

 

 

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「ザ・クレープ」というアイスを買った。

たしか子供の頃からお世話になっていたのは「クレープ屋さん」という名前のアイスだった。

どうやらリニューアルしたらしい。パッケージもシックで大人っぽくなった。

ずいぶんお堅い雰囲気になって、まるで別人のようだ。

 

 

 

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開封してみよう。

パッケージの指示どおりに、包装のフチを点線にそって切り取る。

 

 

 

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今度は側面からめくって、ぐるりと剥がしとる。

クレープ屋さん時代からやり方は変わっていない。楽勝、楽勝。

 

 

 

慣れた手つきでザ・クレープを裸にした瞬間だった。

完全に油断していた私は耐えがたい衝撃に襲われた。

 

 

 

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大量のビスケットクランチが地面へ落ちていったのだ。

 

穏やかな陽気の下、非常階段で私は声を上げそうになった。

本当にショックだった。

そんなジャイアントコーンみたいなノリで、クランチがふりかかってるなんて思ってもみなかったのだ。

 

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足場が細すぎる。ほんの些細な衝撃でクランチ達は奈落の底だ。

カイジでもこんな感じの鉄骨渡りをしていた気がする。もうこれはギャンブルといっていいんじゃないか。

大量のクランチを失ったショックと、危険なギャンブル性に感情がぐちゃぐちゃになった。

 

それでも時は残酷だ。ザ・クレープは容赦なく溶けていく。

私は慌ててザ・クレープを頬張った。

 

  

……やだ、おいしい……

 

 

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薄くてもちもちとした皮

 

 

 

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クリーミーなバニラアイスと、存在感のあるザクザクのチョコ

 

 

  

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そして、これまでにないゴージャスなトッピング、ビスケットクランチ

 

  

食感を遊ばせている……

大人だ。完全に大人のクレープ。

あの懐かしくて、ちょっとチープな「クレープ屋さん」の面影はどこにもなかった。

知らない間にこんなにも進化していたなんて。

 

 

 

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私は食べ進める前に、無意識に包装の下半分を脱がしていた。

アイスが柔らかくなってからでは包装が外しづらくなるのを体が覚えていた。

たとえ姿を変え味わいが進化しても、クレープ屋さんイズムは私たちのなかに息づいているのかもしれない。

 

  

  

それから毎日のようにザ・クレープを食べた。

 

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相変わらずビスケットクランチは滑り落ちていく。どんなにそっと包装を剥いても、寝かせたり立てたり体勢を工夫しても、じゃんじゃん落ちていく。

その度に私は感情を揺さぶられながら、それでもザ・クレープを食べるのをやめられなかった。

いつも違う姿を見せてくれるザ・クレープに夢中になっていた。

 

 

 

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野球少年の坊主頭のように、ちょぼちょぼとくっついたビスケットクランチ。ほほえましいじゃないか。


 

 

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この日も多くのビスケットクランチを失ったが、バニラアイスの海に浮かんだチョコの大陸が美しくてため息が出た。

失うことの悲しさに縛られず、広い視野を持ってすべてを受け止めていきたい。

 

 

 

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ビスケットクランチがバニラアイスに埋まり気味の日もある。

がっちりとホールドされたビスケットクランチほど心休まるものはない。

心なしかクレープ生地も全体をしっかりと包み込んでくれている。

こんな休息日もあっていいだろう。

 

 

 

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包装を破る時に、ビスケットクランチをアイスに押しつけるよう意識するとロスが減ることに気づいた。

しかしこれはもろ刃の剣。手の熱で溶けたアイスが包装にくっついて今度はアイスをロスしてしまうのだ。

ひとつ求めれば、ひとつ失う。

こうして人は成長していくのかもしれない。

 

 

 

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チョコの流脈をはっきりと確認できた日は当たりだ。

どのタイミングでザクザクのチョコを口へ放り込むか計算しやすいからだ。

ザ・クレープは行き当たりばったりで食感を堪能するのもいいが、頭脳プレイで攻略するのも面白い。

 


  

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やっぱり多くのビスケットクランチが生き残ってくれた日は嬉しい。

幸福感とともに味わうザ・クレープは何よりもごちそうだ。

 

 

 

 

ひとつのアイスでこんなにエンターテイメントを感じたのは初めてだ。

一度は完璧にビスケットクランチを死守したいと攻略に燃えたが、今はもうその思いはない。

私は個体差ごと受け止めたいと思っている。

どんな形でも向かってきてほしい。

ザ・クレープを丸ごと全部愛したい。

 

 

 

おわり

初デートは淡くて黒かった

 

飲み会で恋愛の話になった。

「この人が好きだ! と確信する瞬間が分からない」という話題だ。

恋に落ちるということは難しいのだろうか。

人を好きになるきっかけなんてほんの些細なことだと思う。それこそたったひと言でコロっといくかもしれない。

 

そんな話をしたので、自分の恋愛はどうだったか思い返してみた。

私もそうだった。ごはんでも行きましょうと約束したあの日。

彼の何気ないひと言で恋に落ちたのを覚えている。

  

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その日は浅草に詳しい彼の案内で、浅草周辺をぶらぶら散策していた。

 

 

 

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浅草寺に行った。

そしてすぐ隣の浅草神社に、こち亀の記念碑があるのを教えてもらった。

単行本の総発行部数が1億3000万冊を突破した記念に建てられたものらしい。

ここにその記念碑を?! と驚いてしまった。

他の石碑と比べてもそれだけピカピカの質感で不思議な感じだった。

 

 

 

浅草六区は浅草らしい趣のある通りだった。

特に街灯に取り付けられた有名人の写真看板が味わい深くて良い。

欽ちゃんや寅さん、東八郎東MAX……浅草の有名人たちを順番に眺めながら歩いていると、彼がくじら料理店の前で立ち止まった。

店先の街灯にはただ「予約済」と書かれている看板がついていた。

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数ある看板の中でも予約になっているのはこの一つだけらしい。

これはビートたけしが予約したもので、生きてる内に写真を飾るのは気恥ずかしいという理由で、亡くなった後に写真を入れるそうだ。

なるほど、何気ない看板ひとつにもエピソードが詰まってるんだなぁ。

 

こんな感じで彼が細かいポイントまでガイドしてくれるので、すごくありがたかった。

そう感謝の旨を伝えたら、彼も嬉しそうにしていた。

  

 

またしばらく歩いていると彼から提案があった。

近くに良い場所があったのを思い出したらしい。

もちろん喜んでついていく。今度は何を見せてくれるんだろう。

 

 

 

 

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「ここがハッテン場ですね」

(ハッテン場が分からない人は各自調べてください)

 

 

 

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初めてハッテン場を見た感想は「黒い……」だ。

表向きはサウナらしいのだけど、看板が出てない。ドアや窓が黒いスモークガラスのため、中の様子も全く見えない。

 

 

  

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遠目から眺めているというのに、辺りに漂う異様な空気に思わず息を飲む。

初デートでハッテン場を案内されているという緊張感もすごい。

 

 

 

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その場で立ち尽くしていたら、彼が何かに気づいたようだ。

 

 

 

 

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「せっかくだから、近くにもう1軒ハッテン場があるので見てみますか」

 

 

 

 

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「せっかくだから」の温度感でハッテン場のハシゴを?!

こんな重いボディブローのような「せっかくだから」は初めてだ。

 

 

 

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彼は一切濁りのない瞳をしてそこに立っていた。

ウケ狙いではない、セクハラ的ないやらしさでもない、彼自身ハッテン場に興味があるわけでもない、完全なる無の状態で。

そこに山があるから登るように、そこにハッテン場がもう1軒あるから見に行くのだ。

私は純真な「せっかくだから」にショックを受けると同時に、胸の高鳴りを感じていた。

この人だ、と運命を感じてしまった。

 

 

 

 

 

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2軒目も黒かった。

「やっぱり黒いんですね」位しか言えなかったけど、内心ドキドキしていた。

 

こうして私はたったひと言、「せっかくだから」で恋に落ちたのだ。

案外、ハートに刺さるのってロマンチックな言葉とは限らないのだと思う。

 

 

 

その後

彼とはお付き合いすることになって色々な場所へ遊びにいった。

ディズニーシーのキラキラした海の前で、水面のようにきれいな瞳をした彼が、史上最も残酷な拷問器具「ファラリスの雄牛」の解説を始めた時は、ドキドキしてまたときめいてしまった。

「ここでそれを?!」というシチュエーションに私は弱いのかもしれない。

 

 

 

 

おわり