法事で新潟県へ行く機会があった。
子どもの頃は夏休みなんかによく遊びに行っていた記憶があるが、大人になってからはすっかり足が遠のいていた。
私の兄も同じだったようで、せっかく新幹線に乗って遠出するんだし、法事のあとに軽く観光もしておくかという流れになった。
調べてみると魅力的な観光スポットがたくさん出てきた。
新潟には田んぼと海しかないと全てをスルーしていた子ども時代はなんだったのか。
悔しい。新潟のいい時間を取り戻さなくては。
魚のアメ横で海の幸にまみれたい
まずは「寺泊 魚の市場通り」へ。
魚のアメ横と言われているらしい。
とにかくカニの量がすごい。あのありがたいカニがあまりにも豪快に積みあがっているので、頭がおかしくなりそうになった。
ずっと見てたら「カニの山にヒップドロップしてみたい」という気持ちになった。混乱していたんだと思う。
大きなお鍋で作った特製あんこう汁を飲んだ。
優しくて慈悲深いお味。あと具がぽよんぽよんだった。汁物の感想で初めて思った、ぽよんぽよん。
魚のホットスナック売り場だ。テンション上がっちゃうな!
大きい食べ物は良いという気持ちがいつも根底にあるので、大きい魚のホットスナックを買った。ホットスナックというかもうなんか獲物だ。うれしい。
弥彦神社をお参りしよう
越後平野の中央にそびえたつ弥彦山。その山頂にあるのが弥彦神社。パワースポットと呼ばれているらしい。それはありがたい。
弥彦神社。標高が高いので空気がひんやりして気持ちが良い。心が洗われるようだった。
神社の近くにあった火の玉石。
これは石占いの一種で、石を持ち上げた時に「軽い」と思えば願い事が叶い、逆に「重い」と思えば願い事は叶わないという。
「こっちのほうが重い。そっちもう一回持たせて」
「そうなの? こっちも重いよ。あ、そっちも重いね」
完全に2つの石の重さを比べていた兄夫婦には、願い事のくだりは話さないでおいた。
弥彦山の頂上を目指す
ロープウェイに乗って山の頂上へ
「平野(へいや)!」
人は感動すると見たままの単語を口にしてしまう。
ロープウェイの中に気になるポスターが貼ってあった。
ツリーパフェ。どうやら弥彦山は東京スカイツリーと同じ標高らしい。
なるほどそれでツリーなのか。
標高634mと聞くとそれほど高くない山に思えるけど、周りは海と平野が広がっているのですごく高く感じる。すばらしい見晴らし。海が青い!
にょきっと生えた不思議なものはパノラマタワーというらしい。全長100m。ながい。
52名乗りの展望室が回転しながら上がっていくようだ。
あのにょきっとしたものの周りをぬるぬる回って上がっていけるなんて夢のようなアトラクションじゃないか。絶対に乗りたい!! と心が震えたが、運転休止中だった。
あれに乗りにまた来なくてはいけない……
ポスターを見てからずっと気になっていたツリーパフェを食べに展望食堂へ
食堂の照明が実家のやつと同じで落ち着く。
まったり待っていると、ツリーパフェがテーブルに運ばれてきた。
大きい!!
なにせ大きい食べ物は良いという気持ちが常にあるのでとても興奮した。
ちゃんと形もスカイツリーに似てる。コーンとポッキーの工夫っぷりに感心してしまった。
新潟でスカイツリーのパフェを食べられるなんて夢のようだ。
パノラマタワーとツーショット。長いものと長いもので絵になる。
グラスの中はフルーツポンチ、コーンフレークなどが入っていて昔ながらのパフェという感じ。こういうパフェも好きです。おいしかった。
弥彦山、とても素晴らしかった。
この日みた景色はきっと一生忘れないだろう。
深く呼吸をしながら青い海を眺めていると、おじいさんが話しかけてきた。
私が感動のため息をもらしているのを聞いて声をかけてくれたようだ。
「お嬢さん、観光? ぼくはここの近所に住んでるんだけど、弥彦山いいでしょう」
「はい、観光です。景色がすばらしいですね!」
「そうでしょう。しかも標高が634(むさし)でスカイツリーと一緒なんだよ」
「そうみたいですね、すごい偶然ですよね」
私が大きく頷いていると、おじいさんはにこっと笑いながら続けた。
「でもほら、見てごらん」
「昔は638mだったんだよ、ここ」
「いつの間にか634mになってたの。ほらここ「8」の跡がある」
そうなの?!
まさかスカイツリーに合わせて山の高さを低く?!
と一瞬思ったけどそんなわけもなく、スカイツリーが開業する前に測り直したら634mだったらしいです。
この写真、最高だ。
時期的には弥彦山のほうが先なのに、スカイツリーに全乗っかりする弥彦山が愛おしくてたまらない。
私はまたここに来なくてはいけない。
良いものをたくさん見れて満足したので、そろそろ下山することに。
帰りのロープウェイが来るまで売店近くをうろついていたら、懐かしいものを発見してしまった。
だいじょぶだぁのルーレットマンが、ここ新潟に?!
けんちゃん……!
志村けんじゃなくて、けんちゃんの頃……!
だいじょぶだぁのルーレットマンのゲームってあったんだな……!
あれ?
けんちゃんじゃなくてセーラームーンだ……
なんかルーレット役はルーレットマンじゃないとかわいそうに見えるの不思議だな……
せっかく見つけたので1ゲームプレイしてみることに。
なにも考えずにボタン押したら逆さに止まっちゃった
これどうなったら当たり? 頭のてっぺんのところに当たりが来たらいいの?
あ、ちがう! 左手の先になんかついてる
ほら、赤いぴろぴろしたやつ付いてるもん!
これハズレだね!
兄夫婦の厳しい視線を浴びながらもうワンゲーム
わーー当たった!!!
変なボールが当たったよ! やった!!
おわり