定点観察は面白い。
同じ場所で同じものを見続けると、何かしら変化があるものだ。
中でも季節ものは変化が分かりやすくて良い。1年で1周できる感じも好きだ。
例えばこちらの家。
外壁がツタに覆われているので、私は勝手にツタヤと呼んでいる。うちの近所のツタヤといったらここになる。
さて、冬の間はこんな様子のツタヤだけど、
4月の中旬に差しかかると小さな葉が芽吹き始める。
ツタヤは春と共に目覚めるのだ。
5月の初旬、たった2週間で葉がみるみる大きくなって、外壁一面みどり色になった。
6月に入ると、フサフサ具合が加速。葉は増え続け、ついに壁も窓も見えなくなってしまった。家の中から見たらどうなってるんだろう。
8月の中旬頃から緑に変化が。葉の密度が減ってきた。
9月下旬、ブロック塀を覆っていた葉はほとんど落ちた。
一方、家の外壁のほうはしっかり葉が残っている。
不思議に思って調べたところ、ブロック塀のほうは西日が直接当たる位置にあり、葉焼けを起こして落葉したんじゃないかと思う。
10月下旬、外壁の葉の数にあまり変化はないが、ちらほらと紅葉が見られる。
11月に入って一気に葉の赤みが増えてきた。ここから1週間ごとに見ていこう。
きれいに紅葉している。そういう柄の外壁みたい。おしゃれ。
紅葉は始まると一気に進むので、毎日眺めるのが楽しい。
秋はあっという間に通過していった。
11月が終わると共に、葉もすべて散った。
冬の間は寒さにじっと耐え、また春がきたら賑やかなツタヤになるはずだ。
ツタヤ早着替えバージョン
たぶん、このお宅は自然とツタに覆われてしまったタイプだと思う。
もしくは、最初はほんの一部の飾りだったツタが成長して、家全体に広がったとか。
たしか4、5年ほど前にツタを駆除してるのを見かけたことがあった。
駆除をした年はすっきりして普通の一軒家だったけど、数年でまたツタヤとなってリニューアルオープンしていた。
この様子だとツタと住人の決着がつくまで長くなるだろう。
ブロック塀のあたりのツタなんかは、年々木質化が進んでいるのでかなり手強そうに見える。
1年を通して眺めるうちに色々考えてしまった。
今後ツタヤはどうなっていくのか。静かに見守っていきたい。