花粉症ゾンビ

 

今年もスギ花粉の季節がやってきた。

気づけば花粉症になって27年目に突入した。もうベテランといえるかもしれない。

なのに、全然慣れない。毎年フレッシュな気持ちで涙や鼻水を出している。

このペースだと体内の泉が枯渇している計算だが、そりゃあもう顔面から水分がとめどなく出てくる。本当にどうにかしてほしい。

 

 

 

マイ花粉症アイテム

 

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花粉症対策はいろいろ試している。

以前は耳鼻科に通ってあれこれ薬をもらってたけど、手間とお金、効果の面から市販のものに落ち着いた。

 

今の時期は、薬を忘れる=死なので、自宅と職場と携帯ポーチにそれぞれ薬を保管していて、いつ何時でも薬を服用できるよう万全の体制だ。

 

 

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目薬は奮発して高価なものを選びたい。効きそうだから。

あと、眼球に強烈なビームが直撃してるパッケージは効きそうで良いな、と毎年思う。

  

鼻の点鼻薬は片時も手放せない。

デスクワークの天敵である鼻水の流出を一瞬で止めてくれる魔法のアイテムだ。

しかしこれは諸刃の剣でもあって、あまり常用するとかえって鼻炎がひどくなるらしい。今年もどうにか点鼻薬チキンレースに勝たないといけない。

 

 

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今年から花粉吸着防止スプレーを顔に吹きかけ始めた。

ツイッターで良い評判なんかを見かけるとすぐに買ってしまう。

詳しいメカニズムは分からないけど、特許技術の成分がミクロの霧となって顔をコーティングしてくれるそうだ。

花粉で肌がかゆくなるタイプなので、こういった技術は本当にありがたい。

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ありがたがって念入りにスプレーすると、あっという間に顔面がビシャビシャになる。

すでに涙と鼻水でビシャビシャだったところに特許技術のビシャビシャが合わさって、顔面だけプールでひと泳ぎしてきたかのようになるが、花粉症の症状が軽減されればこの際もう何でもいい。

 

このように私は薬や花粉症グッズに助けられてギリギリ生かされてるのだ。

 

(他に良いアイテムをご存じでしたらぜひ教えてください)

 

 

 

 

朝晩がつらい

 

春は薬の副作用で頭がぼーっとする。

眠い。花粉が存在しない密閉された無菌室のベッドで横になりたい。

そんなことを思いつつ、必死で眠気に抗いながら仕事をこなし、ふらふらとした足取りで帰宅。

家に帰っても花粉症は治まるわけでもないので、家事もせず無気力に横たわるばかりだ。

せめて気分だけは上げたい。そう思い、好きな音楽をかけた。鼻歌でも歌おう。

ところが、花粉症と薬の副作用の合わせ技で喉の粘膜が荒れまくっているせいで、蚊の鳴くようなボリュームの、それでいてしゃがれた声しか出なかった。

蚊のブルースは私の気分を盛り下げた。

だめだ、どんどん具合が悪くなる。

ここで挽回策として、濡れマスクをつけて寝ることを思いついた。あの救いのアイテムをつければ喉も治るに違いない。

それならマカロンみたいに腫れあがった瞼のほうにも何かアイテムを授けよう。よし、ホットアイマスクの出番だ。

口元に濡れマスクを、目元にホットアイマスクを装備した。

これで快眠は約束されたようなもの。豪勢な装備にうっとりしながら眠りに入った。

 

 

翌朝、目を覚ますと、ホットアイマスクと濡れマスクは、的外れな場所にずれ散らかしていた。息苦しさと自覚すると同時に、マスクとマスクの隙間から涙と鼻水が噴き出した。

  

「………ぅ゛ぅ゛う゛お゛お゛……」

喉からは、この世のものとは思えないうめき声がもれた。

 「………ぃ゛ゃ゛ぁ゛ぁ゛あ゛……!」

とりあえずメガネだ、何も見えない。くっついたまぶたを剥がしてベッドの周りを探した。メガネ、メガネ……

その時、偶然鏡が目に入った。そこに映っていたのは世にも恐ろしい姿だった。

顔面ビシャビシャ、目は充血して瞼はブヨブヨ、各種マスクがまるで包帯のように顔面に貼りついている。

 

 

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その姿がゾンビすぎて震えてしまった。

私は泣いた。花粉のモーニングアタックで元々泣いていたが、それ以上に泣いた。

安らかに眠りたい、それだけなのに。

我を目覚めさせたのは誰だ。花粉か? ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛……

いっそ誰か聖水でもかけて成仏させてほしい。