ひとりで渓谷へ行って死んだ話(1)

秋は大自然に抱かれたい。

突然すいません。

元々インドア人間なんですが、ここ数年、なぜだか無性に自然を求めるようになってきました。海でも山でもとにかく雄大な景色を拝みたい。

さてそんな中、今年も行楽の秋到来、このビッグチャンスを逃す手はありません。

どこの大自然に抱かれに行こうか、というところで前から気になっていたハイキングのバスツアーがあったのを思い出して、催行日直前、衝動的に申し込みをしました。

場所は長野県にある西沢渓谷、ネットに掲載されていた写真を見る限りかなり良さそう。3日後にはこの西沢渓谷に挟まれたり抱かれたりするのかと思うと、自然と気持ちが高まっちゃう。

 

 

当日は朝7時に新宿集合、逆算すると家を朝4時40分に出発することになります。いやさすがに早すぎでしょ、と思って何度計算し直しても朝4時40分。

なぜかというと早朝すぎて家から最寄駅までのバスがないせいでした。仕方なく50分歩いて駅へ向かいますが、この日ばかりは徒歩50分の距離で最寄面してくる駅に憤りを覚えます。

 

 

新宿駅に着き、早々に集合場所へ向かいました。

 

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集合場所で待機するツアー客の服装を見て、「普段着とスニーカーで充分なハイキングコースという情報はなんだったのか?」という疑問が浮かびました。

あ、これ「平服でお越しください」と同じやつだ、と気づく頃には手遅れであり、登山にご法度とされる綿素材コーデで全身を包みただ立ち尽くすのみです。

 

 

時間になりバスは予定時間通り出発しました。イヤホンで気分のあがる音楽を聴きつつ、車窓から景色を楽しみます。

 

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 窓の外は真っ白でした。

 (なんでこの天気の中ハイキングに行くんだろ・・・?)と思いましたが、答えは簡単、バスツアーが催行されているからです。悪天候の場合は中止、逆にツアー会社がイケる!と判断すれば有無を言わせず催行なんです。

 

 

バスは道の駅の駐車場に停まりました。ここから歩いてハイキングコース入口まで向かうようでした。

「それではみなさん、今から5時間後にバスに戻ってきて下さいね!いってらっしゃーい!」と添乗員さんからのジャングルクルーズが出航する時みたいな軽いノリのアナウンスを皮切りに、バスから放り出されるツアー客。

外は霧で真っ白、そこにシャワーみたいな水量の雨。

「絶望」の2文字が頭をよぎりました。

 

でも待ってほしい、数々のツアーを催してきたプロであるツアー会社がイケるって判断をしたんだから、イケないはずがないんです。素人にはイケる理由が分かりませんが、きっと何だかたぶん大丈夫な感じなんでしょう。

気を取り直し、道の駅の軒先で雨がっぱを着ました。ポンチョ型の簡単な雨がっぱだけど念の為持ってきてよかった。

よく考えたらビニール傘もあるし、まぁ何とかなりそうだな~なんて思いながらハイキングコース入口へ。

 

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 入口に立っていた文字が消えかかって全く読み取れない地図は見なかったことにしました。

 

 長くなってしまったので続きます。