初めてのキャンプでバームクーヘン作りに挑戦した話

 

キャンプへ行くことになった。人生で初めてのキャンプだ。

せっかくなので、超初心者ながらも何かキャンプらしいことに挑戦してみたい。

なんだろう、キャンプの醍醐味といえば火を使った料理だろうか。

カレー、バーベキュー…いや、ありきたりだ。もっとワイルドな料理が良い。

そうだ!

 

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バームクーヘンだ!

自分たちで起こした火を使って、一から作り上げるバームクーヘンなんてやりがいがあって良いんじゃないか。

火の前でバームクーヘンをくるくる回し焼きながら、静かに語らったり談笑なんかもしてみたい。すごくキャンプっぽい空間になるに違いない。

これだ、バームクーヘンを作ろう!

 

 

 

キャンプ当日

 

今回、利用するのは相模湖にある「みの石滝キャンプ場」。

 

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キャンプ場は、ボートで湖を渡らないと入れない奥まった湖畔にある。完全にワクワクしちゃう立地だ。

 

 

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湖を渡るのにかっこいいボートが迎えに来てくれた。

 

 

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すごいすごい、とテンション高く乗り込む。

 

 

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ボートの先に小型ボートがあった。こっちに乗るらしい。先程ははしゃいでしまってすいません、という気持ちで小型ボートへ。

  

 

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湖の爽やかな風が全身を掠めていく。なんて気持ちいいんだろう。

そうか、もうキャンプはこのボートから始まっているんだ!

 

 

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10分ほどの船旅でキャンプ場に到着。

 

まずはテント張りから始める。 

傘のようにワンタッチで開く便利なテントを用意したので、驚くほど簡単に設置できた。

 

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何となく遠慮がちに端っこにテントを張った。

遠くから見たらめちゃくちゃ斜めで笑ってしまった。結果を先に言っておくと、人は地面がめちゃくちゃ斜めだと寝れない。今後覚えておきたい学びだ。

 

 

 

バームクーヘンを作ろう

 

私はバームクーヘンを作りにキャンプに来たと言っても過言ではない。

それぐらい気合いが入っている。

 

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意気揚々と材料を広げた。

私は濃度至上主義なので、黄身の濃そうな卵、濃くておいしい牛乳、濃密ギリシャヨーグルトを用意した。バターも気前よく贅沢に使う。

本気でおいしいバームクーヘンを目指す気満々だ。

 

 

丁寧に生地の下ごしらえを済ませたら、いざ焼きへ!

 

ところが、既にコンロの上ではソーセージと鰯がじゅうじゅうと軽快な音を立てていた。

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先を越された。ベーキングパウダーのガスが抜けないうちに焼きに取り掛かろうと思っていたからショックだった。

 

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私はバームクーヘンの棒を固く握りしめたままソーセージを食べた。夢中で。こんがりジューシーなソーセージは反則だ。おいしすぎる。

 

 

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気を取り直して、さぁ焼くぞ!

 

 

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生地が下へ垂れないよう、棒を回し調整する。 

バームクーヘンをふっくら柔らかく仕上げるには、短時間で焼き上げることがコツらしい。

素早く火を通すならあまり棒を動かさないほうが良い、かといって回転させないと生地が垂れてしまう。

回転の塩梅が難しい。

  

 

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などと知識を披露していたら、信じられない量の生地がぼとっと落ちた。

思わずギャッと声が出た。

生地がくっつかないよう、棒にバターを塗っておいたのが裏目に出てしまったのか。

 

…バームクーヘンとは、どういうお菓子なのか今一度確認したい。

生地を下に落として炭の上でカリカリに焼いたものを手で拾って食べるお菓子だろうか。

違う。棒に生地を垂らして、回して、焼く! 棒に生地を垂らして、回して、焼く! というお菓子のはず。

やるぞ!

 

 

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生地を塗り直してリトライ。

落ちた生地が地獄の業火のごとく燃え盛っている。

こんなところで贅沢なバター使いが効果を発揮して悲しい。

 

 

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2層目を何とか焼き上げると、なぜか2パーツに分かれた。

そして、それを見て「なんで不気味な老婆の指焼いてんの?」と聞かれた 。

私は不気味な老婆の指を焼いていたのか…

 

 

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生地が上下に分裂するの何?

いや、諦めるのはまだ早い。今こそ、何度も繰り返し塗るというバームクーヘンの製法が生きてくるんじゃないだろうか。

分裂した中央部分へ生地を重点的に塗れば、まだ取り返せるはずだ。

  

 

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「おどろおどろしい」という表現がよく似合う。

 

 

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だんだんバームクーヘンらしい形になってきた!

 

 

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そう、落ちる前に回して! 形を整えながら! いいよ!

まぁまぁ下に落ちてるけど、大事なのは形だよ! 円柱を意識して、そう、いいよ!

 

 

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だからその異常なほど分裂する作用なんなんだ。

 

 

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分裂作用に抗いながら根気よく塗りと焼きを繰り返していたら、突然、安定期が訪れた。

 

 

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握りこぶしほどの大きさになると、急いで回さなくても垂れなくなった。

ようやく余裕が出てきて嬉しい。

 

 

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生地の素を全部使いきって仕上げに入る。

 

 

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…バームクーヘンだ! 

不気味な老婆の指と言われた物体が、ちゃんと丸いフォルムになった!

滑り出しはどうなることかと思ったけど、本当に嬉しい!

 

 

喜ぶのもほどほどにして、熱々のうちに食べてみよう。

 

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棒から外すと王蟲っぽい。王蟲の天ぷら。

 

 

大事なのは断面だ。

バームクーヘンといえば木の年輪のような美しい層。

断面はちゃんと層になっているのか。

 

 

 

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バームクーヘンだ!!

あの苦労を共に歩んだからこそ、心の底から湧き上がる感想はシンプルなのかもしれない。

何度も言いたい、This is バームクーヘン!

 

 

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粗めだけど層になってる。

味も美味しかった。しっとりふわふわで、何より表面がこんがり香ばしくて、市販品にはないキャンプならではの味わいだ。

 

 

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火を囲みながらウフフアハハと談笑しながら作るイメージとはかけ離れたテンションだったけど、楽しくて美味しいものになった。

是非また作りたい。

今度は太い竹とかを芯に使って極太のやつが良い。

 

 

おわり