「バーフバリ 王の凱旋」というインド映画を観てきた。
すごかった。これは本当にすごい。映画でこんな感情になったの初めて。
もともと私は集中力が切れやすく、これまで映画とうまく向き合えずにいた。自分で考察するのすら面倒くさく、「映画って物語の概要とオチだけ口頭で教えてくれたら楽でいいのになぁ」と思っていた。
ところがバーフバリ 王の凱旋は、そんな映画に対する苦手意識を飛び超えて、これまで体験したことのない極上のカタルシスをもたらしてくれた。
それはもう「面白かった」なんて甘っちょろい感想じゃ収まらない。
「全てが最高! バーフバリを崇めたい!」だ。私は今、バーフバリという最強の王を崇拝している。王の前で頭を垂れたい。そして王に頭を踏まれながら忠誠を誓いたい。
しかし頭を踏まれるのは無理なので、せめてバーフバリの素晴らしさを語りたいと思う。
王よ、映画に疎い私が、王のことを語るのをどうかお許しください。
※これより先は、ややネタバレを含みますのでお気をつけください。
※まだ映画を観ていない方は、予告編で雰囲気を掴んで頂ければと思います。
とにかくバーフバリの圧倒的な強さが最高
主役のバーフバリ(国の王子)は、とにかく強い。理由もなく強い。
数百人単位の敵兵が攻めてこようが余裕だ。1人じゃどうにもならないのでは?! という絶望的な状況でもバーフバリなので大丈夫。ドミノ倒し感覚で敵を倒し散らす。
どんなピンチな状況でも乗り越えるムキムキマッチョマンだ。
バーフバリの近くに巨大な物や建造物があると、それを使って一掃してくれる。観ている方も爽快だ。とにかくデカいものをぶん回す、それがバーフバリという男である。
バーフバリの鍛え抜かれた肉体は、頑丈さもお墨付きだ。
味方の剣士をかばった弾みで、急な斜面の山から転げ落ち、運悪く岩に頭を強打してしまい、その場で動かなくなってしまったシーンがあった。
いくら無敵なバーフバリといえども、頭への打撃は致命傷なはず。
しかも追手がすぐそばまで迫ってきている。
ここで万事休すなのか…!
と思ったら、むくりと起き上がりスタスタと歩き始めるバーフバリ。
「さっきの岩のシーンなんだったの?」 と思うくらい何でもなさそうだった。
圧倒的な頑丈さ。頭部に巨岩をくらっても大丈夫。
あと基本的に無表情なので、「何したって平気なんだな」と思わせてくれる。
自らの強さに溺れる、絶対に敵わないライバルが現れる、挫折する、なども一切ない。
問答無用で強いから安心して観ていられるところが最高。
バーフバリの情熱的な恋愛模様も最高
バーフバリは恋愛の仕方もとても雄々しい。
敵に囲まれて戦う中で、剣を振るう美しい女性の姿を見つけた。一瞬で恋に落ちた。
しっかり敵を殴りながらも、遠くの美人に釘付けなバーフバリ。
(敵に対して)心ここにあらずだ。
(あれ、あそこにすごい美人いるじゃん…)
フードプレセッサーみたいな動きで敵を切り刻みながらも、視線は美人な女性を追っている。
(うわ、あの美人なんだよ…信じられないくらい美人だよ…結婚しよ)
一瞬で恋に落ちたバーフバリ。情熱的な熱い眼差し、なんか適当な感じなのに敵をガンガン倒していく剛腕。
恋愛っぷりもなんて男らしいのだろうか。
でも気持ちは人づてに伝える。というか他人事のような顔をして隣に立ってる。
なんでよ。あんなに縦横無尽に人を斬りつけながら、熱く見つめてたのに。
そういうところすごい好き。
分かりやすい演出が最高
このようにバーフバリは、めちゃくちゃな強さを見せつけながらも、ほとんど無表情。セリフも主役なのにかなり少ない。
その分、周囲の人物の感情表現がとても豊かだ。
こういう顔をしてくれる人のアップが、派手な効果音と共にちょいちょい挟まれるので、状況が分かりやすい。とても助かった。
初めに書いた通り、私は考察をするのが面倒だと思っている。
この映画の素晴らしい点は、バーフバリが絶対的な正義で、敵役が清々しいほどに悪者だというところ。裏切りのないお約束のストーリー。
そこに度胆を抜くド派手な演出。考える隙を一切与えられなかった。
これが観ていてとても楽で、上映が終わった瞬間「これこれ! 映画ってこれなんだよ…!」と思わず声が漏れてしまった。
本当にバーフバリは最高の映画だった。
バーフバリ! バーフバリ!
映画を観終わったら誰もが口にしたくなるだろう、バーフバリコール。
バーフバリコールが出来る絶叫上映というのが以前あったらしく、またチャンスがあれば是非行ってみたい。
ああ、興奮が収まらない。
ありがとうございました。