高いところはお好きでしょうか。私は好きです。見晴らしの良い景色はいつ見ても最高だからです。
高所へ登りたくなった時は、よく千葉ポートタワーへ行きます。マイナーな存在ながら、眺めは抜群、雰囲気もとても良いところです。
こちらが千葉ポートタワー。タワーというと先の尖った電波塔の形をイメージしがちですが、この潔い四角さですよ。惚れ惚れします。
外壁は一面反射ガラスなので、日中は青空に溶け込むような姿で立っています。タワーなのに目立ってやろうという圧がない。そういうところ好き。これからもステルスの姿勢で千葉の街を見守ってほしい。
冬はクリスマスツリーにも変身します。
見た目からしっぽりしたイルミネーションなのかと思いきや、けっこうアグレッシブに点灯するし、BGMは爆音のマライアキャリーだしで、初めて見た時は度胆を抜かれました。今年も是非見に行こうと思います。
千葉ポートタワーは外観もさることながら中も最高です。
正面玄関から入るとすぐに名産品のディスプレイによる歓迎を受けます。平置きで熱烈なアピール。
ポートタワーに来たらソフトクリームは外せません。千葉県産の牛乳使用のこってり美味しいソフトクリーム。そびえ立つこれを片手に、全国のタワーコレクションを眺めば至福のひと時を過ごせます。
1階のメインはお土産屋さん。あちこちに飾られた大漁旗で盛り上がっております。
お土産屋の先には普通の売店も設けてありました。この近辺はコンビニのないエリアなので何気にありがたい存在。
しかし奥に行きすぎると、デッドスペースの巣窟があります。迷い込まないよう気をつけてください。絶妙な斜め具合の壁がどうにもならず無の空間を生み出しているようです。
こんな感じで、不思議な空気が漂う1階フロアでした。
入館券を買い、上の展望フロアへ登ってみましょう。
オフィスビルみたいなエレベーターですが、見た目で判断してはいけません。
中はガラス張りで、しかもエレベーターガールもいらっしゃる立派なエレベーターです。
ただ、いつも貸切状態の為、閉鎖空間でエレベーターガールとマンツーマンはお互いモジモジします。
ひとしきりモジモジし合った後は、地上113mから臨む展望が待っています。
足元はすぐ海!臨海部に建っている為、地平線まで見えるこの見晴らしがとにかく最高なんです。
人工物ならではの造形が楽しい工場地帯。埋立地なので地形も面白い。
日が暮れると、一転して幻想的に灯り始める工場の群れ。
地平線へ沈みゆく夕日。 ほんの数分だけ現れる波間のオレンジの道。気が付けば目から溢れる涙。
いかがでしょうか。もうね、いつ行ってもどこから見ても素晴らしい景色なんです。現実逃避にうってつけ。
実際この日は、家の冷蔵庫の冷却機能がバカになり生肉はドロドロ野菜はジュクジュク床は謎水でビシャビシャになって全食材がゆるやかに滅び行く様子を見てたらだんだん腹が立ってきてもう壊れた冷蔵庫なんて知らない!と家を飛び出した勢いで千葉ポートタワーを登りました。
そんな荒んだ私も受け入れ、美しい景色で死んだ冷蔵庫のことを忘れさせてくれる千葉ポートタワー。本当に良いところですね。
さて、展望フロアも素晴らしいですが、階段を下るとまた味わい深いフロアがあります。
恋人の聖地とのことですが、1人でも足を踏み入れて大丈夫です。私は構わず入ります。
なぜならあまり人がいないからです。
日中は自然光の明るさを取り入れている為、フロア内は逆に薄暗いという現象が起きます。
夜はイルミネーションが灯ってロマンチックなのでご安心ください。個人的には日中、薄暗い中を空き巣的に見学する方が好きです。
うすーく発光するイルミネーションと、空間を持て余すフォトスポット
愛の南京錠だそうです。なるほど。
恋愛おみくじもあります。
排煙装置の「非常時以外は危険ですので手を触れないで下さい。」が良い具合にコラボしていました。確かにどちらも危険だ。
あれは!ビックリするほどよく当たる!でおなじみの真実の口!
やりました。口へ手を入れると手相を占ってくれます。
この真実の口、終始イタリア語らしき言葉を喋り続けていて、内容が気になっていたのですが、よく見たら機械の隣にちゃんと翻訳が貼られていました。なんて親切な。
それは分かる。
全部カタカナで目をやられそうでしたが、占い結果は真摯に受け止めようと思います。
愛情面が赤点だったので、空き巣的に恋人の聖地を探索した身としては「なるほどな~」と思いました。もうやめよ。
以上です。
素晴らしい展望とちょうど良い温度感の千葉ポートタワーでした。何気に楽める千葉の観光スポットではないでしょうか。
私もまた冷蔵庫が壊れたら逃避行しに行こうと思います。
ありがとうございました。