採血の時ドラマチックな展開になるの何なんだ

先日、健康診断を受けてきました。

どの項目も平常値だったんですが、毎回引っかかるのが血圧です。大体いつも上が85、下が55辺りをうろうろする感じのいわゆる低血圧。

低血圧で日常生活に支障を感じることはあまりありません。朝起きれないとか、やる気が出ないとか、そういうメンタル的な部分を低血圧のせいにすることはあります。むしろ低血圧って便利だな〜って思います。

でも一方で低血圧を治したいと思う場面もあります。

採血の時です。

見えづらい血管のせいで少なくとも3回は注射器を刺し直すんですよね。血管が見えづらい原因のひとつに低血圧が関係してるみたいなんです。

 

今まで採血の時は「採血って難しそう!看護師さんがんばって!」という気持ちで見守っていたのですが、健康診断を受けるようになって、採血って3回も4回も刺すもんじゃないことに気がつきました。

というのも、健康診断だと、薄いカーテンの仕切りごしに隣の受診者が採血している様子がチラリと見えることがあるからです。

私がいる間、隣はほいほい採血し終わって、どんどん新しい受診者に入れ替わっていくじゃないですか。お見合い回転ずしみたいだ、ローテーションがすごい!と思いながら自分の腕を見ると、空っぽの注射器が刺さってたりします。吸いなさいよ血液を。

 

そんなわけで看護師さんにはいつも採血でお手間をおかけしてしまいます。

だいたい最初は左腕(利き手と逆だから)を差し出すのですが、看護師さんが「あれ?」という顔をするので、右腕も見てもらうと「おや?」という顔をします。

ゴムバンドをぐぐっと二の腕に巻き付け、指をグーパーグーパー、肘の内側をさすって叩いて……からの「いや、血管どこ?」です。

看護師さんに話を聞いたところ、どうも血管が奥まったところにあり、血管自体も細く、さらにそこへ低血圧が手伝って、「いや、血管どこ?」になるそうです。

採血で時間をとらせてしまい大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。

ただほんの少しだけ、ほんの少しだけですけど、「血管不在の腕を持つ者」みたいなキャラを自覚しているのも正直なところです。私の腕は中二病に蝕まれています。

だってね、看護婦さんが「血管不在の腕を持つ者」の腕に果敢に立ち向かう姿がすごくドラマチックで良いんですよ。

看護師さんが私の腕を凝視しながら

「これは…久々に……。」

って静かにつぶやこうもんなら、そりゃあカチンコ鳴るじゃないですか。物語始まった!って。

 

 

看「これは…久々に……。」

 

私『大丈夫ですか?右腕に変えましょうか?』

 

看「いや、このままいきましょう。軽く親指をにぎってください」

 

私『は、はい』(指示通りにぎる)

 

看「少しチクッとしますよ…」(チクッ)

 

私『…………』(全然吸えてない…)

 

看「…………」(グリグリと注射器をひねる)

 

私『…………』(痛い…そして全然吸えてない…!)

 

看「…すみません、ダメでした…」(空の注射器をゴミ箱へ放り投げる)

 

私『いえ、右腕でやってみましょう!』

 

看「少し腕を叩いてもいいですか?」

 

私『はい、大丈夫です』

 

看「あ、見えやすくなりました!刺しますね!」(チクッ)

 

私『…………』(全然吸えてない…!)

 

看「…本当にすみません…」(空の注射器をゴミ箱へ放り投げる)

 

私『いえ、私いつもこうなんです!血管見えづらいみたいで』

 

看「ここまでの血管はなかなかですね…。もう一度、左腕でお願いしてもいいですか…?」

 

私『はい!』(勢いよく左腕を差し出す)

 

看「………逃げるなぁ」(探るように触診しながら)

 

私『逃げてるんですか?血管が?!』

 

看「…逃げてますね。血管が細くて奥にあるからかも。あ…低血圧なんですね。だからか」

 

私『す、すみません』

 

看「こちらこそ何度もすみません…次は奥まで刺すので少し痛いかもしれませんが…」

 

私『大丈夫です!痛みには強いので』

 

看「…はい、刺しますね」(ズブブブブブ)

 

私『…………!』(痛い!痛い!そして全然吸えてない!!)

 

看「…だめか…!」

看「あの、申し訳ないのですが、エコーを先に済ませてから、また来て頂いてもよろしいでしょうか」(空の注射器をゴミ箱へ放り投げる)

 

 

 

採血がこんなにドラマになるとは思いませんでした。バッドエンドだったけど。

それにしても看護師さんがアツいセリフをたくさん言うからたまらなかったですね。

「…逃げるなぁ」は名言。

 

この後、もう一度採血しに部屋へ入ったら、奥からいかにも重鎮といったベテラン看護師さんがお目見えになって、すごい技を駆使して1発で成功しました。

無事に感動のエンディングを迎えられて良かったです。

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ちなみにベテラン看護師さんのすごい技を説明すると、

左図のようにいつも腕を台に乗せて注射器をじっと見つめていたんですが、右図のように注射器から視線を外して、腕をぶら下げた状態だと血管が見えやすいようでした。

負けた感じがするので今までやせ我慢して注射器を凝視してたのですが、視線を外すことで血圧が低下する反射が起こりにくくなるらしいです。今までの戦いはなんだったんだろう。

 

 

採血ドラマ楽しいんだけど、針を刺すのは普通に痛いのでもう打ち切りにしたいです。

血行を良くして低血圧を治して、腕の血管に逃げないよう説得していこうと思います。

 

 

 

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右腕は人気がなくて1回しか刺されなかった

 

 

 

以上です。