続きです。
それでははりきってハイキング行ってみましょう。
同じツアーのお客さん達はいつの間にかばらばらに、自分のペースで散策スタートです。
本体よりも広告の方が目立ってる山之神
注意喚起の標語を詠む賢いリス。かわいい。
写真を撮りながらゆっくり歩きます。
緑の中を歩くのはとても清々しく、整備された遊歩道は歩きやすいし、バスから降りた時の絶望はどこかへ行ってしまいました。
滝や川にいちいち感動します。
すんごい癒してくるマイナスイオンもどうにかしてビニール袋に入れて持って帰りたい。
30分ほど歩いたところで、今は使われていない山荘がありました。古びた外観が何とも味わい深いです。
山荘を過ぎると橋に差しかかりました。
橋としての若干の頼りなさもまたアトラクションとしてのスパイス、揺れる揺れる、楽しい超楽しい。
橋を渡り終え、歩みを進めていたところで気づきました。
整備された遊歩道が消えたことに。
そんな中、向かいからおじさんが1人歩いてきました。すれ違った時の挨拶をきっかけに、おじさんと少し立ち話。
遠くの県からハイキングに来たこと。今日はあいにくの天気であること。この先には素晴らしい景色が待っているということ。転落事故が多いこと。今日も誰かが落ちて死亡事故とかなんとかってこと。「なんか無理だから今日は引き返して帰るわ」ということ。
ばばばーっとひと通り喋り、最後に不吉なことを言い残して笑顔で去っていったおじさん。
不幸おじさん、そう命名することにしました。
不幸おじさんに出会ってから、道はすっかり登山道に。
濡れぬかるんだ道はかなり滑りやすく、慎重に足を前に出さないと転びそう。
断崖のように切り立った道から身を乗り出し、下の様子をうかがうと、深い青色の川が見えました。雨で増水した川は低い音で唸りながら勢いよく下流へなだれ込んでいます。
もしあそこへ落ちたら一瞬で流されるんだろうな・・・(頭をちらつく不幸じじいの笑顔)
徐々に、というか露骨に道が険しくなってきました。
脇のロープを掴んで登るタイプのかなり傾斜のある道です 。
右手にカメラ、左手に傘、じゃあロープは?という問題発生。
さらに着ていた雨カッパの裾が長く、足を大きく前に出して登ると裾を踏んでしまうことも発覚。
圧倒的に手が足りない、だけど今ある手の本数で何とかしないといけない。試行錯誤の上こうなりました。
二兎負う者は一兎をも得ず、カメラとカッパとカサとロープ全て持とうとする者は死す。
結果びしょ濡れになったし、握力はゼロになりました。ついでに大腿筋は軋み、ふくらはぎは破裂し、膝の皿も砕け散りました。
ここにきて自然の恐ろしさを知らしめられましたが、忘れないでほしい。今は楽しいハイキング中。疲れたら途中にいくつもある名滝を眺めて癒したらいいんです。
丸太の階段の先に大久保の滝を臨む展望台があるようだったので、死んでいる足に活を入れ階段を上ります。
展望台からの眺め
遠い、遠いよ。癒しが薄いよ。ゾーマにこごえるふぶきくらった後のホイミだよ。
満身創痍を誤魔化しながら、限りなく登山に近いハイキングを進めます。
同じツアーのお客さんたちに追いつきました。
もしも川へ滑り落ちたら助けてくださいね、という思いを胸に追いかけます。
ストーカーしながら、ひとりだと気楽でいいけど遭難のことを考えると同行者いた方がいいよなぁ、なんて思ったり。
2時間半ほど歩いて、ようやくゴール付近の滝に到達しました。
七ツ釜五段の滝です。
今までの苦労はこの滝の前振りだったんだ。素晴らしいよ滝。ただただ感動。来てよかった・・・。
感動の滝を後にし、終点まで100mの看板が現れました。
ゴール目前の気配にテンションが上がります。あと100m!
なんて喜んだ瞬間もありましたが、今回ここが一番の山場でした。
標高差60mを100mの距離で登るとなると、階段1段あたりの高さがかなりえぐく、手を使ってよじ登るような階段。
登り終える頃には乳酸値3兆mg/dlほどをたたき出していたと思います。
死にそうになりながら、終点でチョコタイム。
世界中のショコラティエを招集してもこのチョコを超えるものは作れないだろう。っていう位美味しい。
その感動は七ツ釜五段の滝、100段分くらいに相当しました。
終点からはもう下るだけかと思いましたが、10分ほど歩いたところで大展望台を発見。
案内板によると色々な山脈を見渡せるようです。
うん。知ってた。案内される前から分かってた。世界は白いってこと。
展望台からはなだらかな道をひたすら下りました。元々、運搬用のトロッコが通っていた道らしいです。
足元がすけすけの橋が多くかかっていて面白かったです。
下りはFPS視点ブームだったみたいです。
道名の由来の看板を見かけました。「ひこいっちゃんころばし」変な名前。
沢から転落した彦一さんの身を誰も案じてない感じがひしひしと伝わってくるポップなネーミング。かわいそう。
帰りは70分程かかる道のりでしたが、雨で体が冷えて凍え死にそうだったので小走りで下ったら40分でふもとまで戻ってこれました。
バスの出発までの余った時間で近くのお店で暖をとることに。
果たして全国のおもしろいこんにゃく200種類を取りそろえる蒟蒻館に暖は存在しているのか。
結論的には蒟蒻館に暖はありませんでしたが、こんにゃくだいこならありました。
なんと皮面がこんにゃくで出来ているとか。
ズッタズタだー!
って思わずテンションが上がりました。体あったまった気がする。
思わぬ熱い出会いを果たし、バスに戻りました。
ツアーのラストは温泉で締めです。
疲れた体に染みわたる大変いい湯でございました。全身生き返った。
バスの出発時間まで温泉施設を散策。
こういうところのお土産屋さんとかお食事処のメニューとか見るの楽しいですよね。
お食事処は人気らしい。
お食事処店内の様子
え、こわい話?見えないだけで本当は居るんです、みたいなこと?黄泉の国のお食事処?
以上です。
このハイキングで死んだり生き返ったり黄泉の国に迷いこんだりもしましたが、まとめるととても楽しかったです。懲りずにまた行こうと思います。