花粉症ゾンビ

 

今年もスギ花粉の季節がやってきた。

気づけば花粉症になって27年目に突入した。もうベテランといえるかもしれない。

なのに、全然慣れない。毎年フレッシュな気持ちで涙や鼻水を出している。

このペースだと体内の泉が枯渇している計算だが、そりゃあもう顔面から水分がとめどなく出てくる。本当にどうにかしてほしい。

 

 

 

マイ花粉症アイテム

 

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花粉症対策はいろいろ試している。

以前は耳鼻科に通ってあれこれ薬をもらってたけど、手間とお金、効果の面から市販のものに落ち着いた。

 

今の時期は、薬を忘れる=死なので、自宅と職場と携帯ポーチにそれぞれ薬を保管していて、いつ何時でも薬を服用できるよう万全の体制だ。

 

 

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目薬は奮発して高価なものを選びたい。効きそうだから。

あと、眼球に強烈なビームが直撃してるパッケージは効きそうで良いな、と毎年思う。

  

鼻の点鼻薬は片時も手放せない。

デスクワークの天敵である鼻水の流出を一瞬で止めてくれる魔法のアイテムだ。

しかしこれは諸刃の剣でもあって、あまり常用するとかえって鼻炎がひどくなるらしい。今年もどうにか点鼻薬チキンレースに勝たないといけない。

 

 

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今年から花粉吸着防止スプレーを顔に吹きかけ始めた。

ツイッターで良い評判なんかを見かけるとすぐに買ってしまう。

詳しいメカニズムは分からないけど、特許技術の成分がミクロの霧となって顔をコーティングしてくれるそうだ。

花粉で肌がかゆくなるタイプなので、こういった技術は本当にありがたい。

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ありがたがって念入りにスプレーすると、あっという間に顔面がビシャビシャになる。

すでに涙と鼻水でビシャビシャだったところに特許技術のビシャビシャが合わさって、顔面だけプールでひと泳ぎしてきたかのようになるが、花粉症の症状が軽減されればこの際もう何でもいい。

 

このように私は薬や花粉症グッズに助けられてギリギリ生かされてるのだ。

 

(他に良いアイテムをご存じでしたらぜひ教えてください)

 

 

 

 

朝晩がつらい

 

春は薬の副作用で頭がぼーっとする。

眠い。花粉が存在しない密閉された無菌室のベッドで横になりたい。

そんなことを思いつつ、必死で眠気に抗いながら仕事をこなし、ふらふらとした足取りで帰宅。

家に帰っても花粉症は治まるわけでもないので、家事もせず無気力に横たわるばかりだ。

せめて気分だけは上げたい。そう思い、好きな音楽をかけた。鼻歌でも歌おう。

ところが、花粉症と薬の副作用の合わせ技で喉の粘膜が荒れまくっているせいで、蚊の鳴くようなボリュームの、それでいてしゃがれた声しか出なかった。

蚊のブルースは私の気分を盛り下げた。

だめだ、どんどん具合が悪くなる。

ここで挽回策として、濡れマスクをつけて寝ることを思いついた。あの救いのアイテムをつければ喉も治るに違いない。

それならマカロンみたいに腫れあがった瞼のほうにも何かアイテムを授けよう。よし、ホットアイマスクの出番だ。

口元に濡れマスクを、目元にホットアイマスクを装備した。

これで快眠は約束されたようなもの。豪勢な装備にうっとりしながら眠りに入った。

 

 

翌朝、目を覚ますと、ホットアイマスクと濡れマスクは、的外れな場所にずれ散らかしていた。息苦しさと自覚すると同時に、マスクとマスクの隙間から涙と鼻水が噴き出した。

  

「………ぅ゛ぅ゛う゛お゛お゛……」

喉からは、この世のものとは思えないうめき声がもれた。

 「………ぃ゛ゃ゛ぁ゛ぁ゛あ゛……!」

とりあえずメガネだ、何も見えない。くっついたまぶたを剥がしてベッドの周りを探した。メガネ、メガネ……

その時、偶然鏡が目に入った。そこに映っていたのは世にも恐ろしい姿だった。

顔面ビシャビシャ、目は充血して瞼はブヨブヨ、各種マスクがまるで包帯のように顔面に貼りついている。

 

 

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その姿がゾンビすぎて震えてしまった。

私は泣いた。花粉のモーニングアタックで元々泣いていたが、それ以上に泣いた。

安らかに眠りたい、それだけなのに。

我を目覚めさせたのは誰だ。花粉か? ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛……

いっそ誰か聖水でもかけて成仏させてほしい。

 

はじめての丸亀製麺はセンスと度胸を求められた

 

丸亀製麺に憧れて、以前このようなブログを書いておりました。

 

oni-gawara.hatenablog.com

 

丸亀製麺について座学で勉強したけどよく分からないので、実際に人に連れていってもらおう! という内容なのですが、うっかり1年3か月も経ってしまいました。

今回はこれの続き、はじめて丸亀製麺へ行ってみた編です。

 

 

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約束の時間より少し早く改札前に着いた。

緊張しながら自作の丸亀メモを取りだす。

 

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やっぱり分からない。分からないことをそのまま分からないと書いてあるんだから分かるわけがない。

でも今日は丸亀製麺に行き慣れている先輩が付き添ってくれる。こんなに心強いことってない。

先輩と合流し、お店へ向かいながら初めて食べるべきうどんは何かと質問してみた。

先輩もよく分からないとのことだった。日常的に行くがそんなにしっかり丸亀製麺について考えたことはないらしい。

私が不安げにしていると、先輩はこう続けた。

こういうのは難しく考えずにフィーリングで決めると良い。結局、自分が一番食べたいと思ったものが一番おいしいのだよ、と。

先輩……! 私、正解を求めるあまり自分の心をないがしろにしてました。先輩のありがたいお言葉、胸にとめておきます。

 

そんなやり取りをしていたらお店に着いた。

 

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様々なうどんのメニューに、湯気でよく見えない店内。

いよいよこの湯気の中に飛び込むのだと思うと緊張してきた。

 

先輩がさっと入っていったので、私も続いて入店した。

カウンターに沿って並び、タイミングを見て大きなトレーを1枚とる。

メニューをもう一度確認したかったが、見当たらない。先輩が頭上を見ていたので、視線の先を追いかけるとメニューがあった。良かった。安心したいから注文の直前までメニューは視界に入れておきたい。

ずっと頭上を凝視しておきたいが、カウンターの向こうも気になる。厨房は湯気が充満していた。真っ白な世界。その中を数人の店員さんが忙しそうに動いている。

不意にカウンター越しに店員さんが話しかけてきた。

自分の母親ぐらいの年齢の人だったが、頬はほんのりピンク色で、艶やかなお肌をしていたのでつい見入ってしまった。うどんの蒸気は美容に良いらしい。

などと悠長に考えてる場合じゃなく、うどんの注文をしなくてはいけない。 

 

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前に並んでいた先輩を見たら、もうすでに注文したうどんを受け取り、遥か先の天ぷらコーナーへ手を伸ばしていた。

私の後ろにはいつの間にか列ができ、次々と店内へ人が入ってきている。

ここであたふたしていたら列の流れを止めてしまう。昔スキー場でリフトから降りられずリフトを止めてしまったトラウマを思い出した。あれから私は二度と列の流れを止めないと誓ったのだ。

 

「冷たいぶっかけうどんの並をください!」

 

言えた。焦りのおかげでむしろ素直に気になっていたうどんを注文できた気がする。

しかも私は冴えていた。目の前のトッピングメニューに気がついたのだ。

 

「あと温泉玉子もください!」

 

大成功である。丸亀製麺、極めたり。

成功者として余韻に浸る間もなく、うどんがトレーに乗せられた。並だけどけっこう量がある。

先輩の背中を追いかけ、天ぷらコーナーへスライドしていく。

スポットライトに照らされて天ぷらたちは光り輝いていた。どれもおいしそうで迷ってしまうが、うっとりしている場合ではない。ここでもすばやい動きを求められているのだ。丸亀製麺はスポーツだ。

 

無事に天ぷらをお皿に乗せ、お会計。

店員さんが慣れた手つきでずばばばとレジを打つ。バーコードを使わないレジ打ちってかっこいい。

 

トレーを持ち、先輩の後を追いかけた。

席へ向かうのかと思いきやたどり着いたのはこちら。

 

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バットいっぱいに入った揚げ玉と薬味ねぎ。

「かけ放題」という言葉が頭をよぎった。私たちは丸亀製麺に試されている。怖くて手が出せなかった。

 

 

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薬味コーナーの隣には、何かが入ったポットや何かが入ったソース、タレなどが無造作に置いてあった。初見殺しの液体コーナー。

だしソース……天ぷらにかけるのか……? いや、リスクが高すぎる。液体コーナーはスルーしよう。

 

 

……さぁ、いよいよ食べるぞ!

 

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ぶっかけうどんに温泉玉子をトッピング、お供に半熟玉子天とちくわ天。玉子がかぶってしまった……

うどんに玉子をトッピングした後に、半熟玉子天というこれ以上ない私のハートを揺さぶる存在を見つけてしまったのだ。どうしても諦められなかった。

「かぶり」という初心者らしいミスをやらかしてしまったが、これもまた経験。次は広い視野を持ってチャレンジしたい。

 

ちなみに丸亀製麺を知る者として付き添ってくれた先輩のうどんはこんな感じだった。

 

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親子あんかけうどん、かしわ天、イカ天

せ、先輩! 鶏がかぶってるじゃないですか!

どんなに行き慣れた者でも天ぷらかぶりの罠は逃れられないようだ。

 

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うどんも天ぷらもすごくおいしかった。

特にうどんは予想以上にコシと弾力があって、欲張って一気に口へ入れたら溺れそうになった。あのモチモチは思った以上に手強い。

次は気になる釜揚げうどんを食べてみたいと思う。あと勇気をだして液体コーナーにも手を出したい。

 

ありがとうございました。

UQモバイル店頭のガチャピンとムックを5ヶ月間見守った記録

子どもの頃、欠かさず見ていた番組といえばポンキッキだった。

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私はポンキッキに出てくるガチャピンとムックが大好きだった。今や2人は老若男女だれからも愛される国民的キャラクターである。

あのずんぐりとしたボディラインとおとぼけフェイスの味わいにみんな夢中に違いない。

 

ところで、数年前からこれまでと違う装いのガチャピンとムックを見かけるようになった。

 

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ピンクのガチャピンと青いムックだ。UQモバイルのCMや広告に出てくるので、一度は目にしたことがあると思う。

ガチャピン=緑、ムック=赤というこれまでの常識を覆す奇抜なカラーリングを見て私は思った。すごくいい! かわいさはそのままで洗練された感じがしてステキ。

そんなスタイリッシュに生まれ変わった彼らとは、UQモバイルの店舗で気軽に会えるものだから、つい店頭で立ち止まって愛でてしまう。

 

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サイバー空間のポンキッキ。かっこいい。

すらりとした足で立ちあがったら7頭身ぐらいありそう。

 

 

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どうやら長い足は三輪車にまたがる為のものらしい。

いいなぁ、このぬいぐるみ欲しいなぁ。

お店の前を通りがかる度に物欲しげに見つめてしまう。

 

 

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いつものようにガチャピンとムックを眺めていると、私はある違和感を覚えた。

あれ、もしかして……? いやいや、まさか。

……明日も見に来てみよう。 

 

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その翌日、違和感は確信に変わった。

 

 

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日替わりでフォーメーションが変わっている。

店先で興奮してしまった。まるで生きてるみたいじゃないか。素敵!

次の日から私は2人のフォーメーションに注目するようになった。

 

 

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ギリギリまで前に出てる日もあれば、

 

 

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背中を向けている日もある。

この日は豪雨だったので、店先に入りこむ雨風から身を守っていたのだろう。

 

 

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晴れたら大丈夫。最前線まで攻める。

 

 

 

初めて動きまわる姿を目にした時は、ギャーっと声をあげそうになった。

彼らは長い足で器用に三輪車をこぎ、ゆっくりと回りながら、惜しげもなくかわいさをアピールしてきた。

そういえば、なぜヒモでつながれているのか不思議だったが、こうやってポールの周りを回る為のヒモのようだ。

 

完全にハートを撃ち抜かれた私は、毎日彼らの様子を見に行った。

 

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なにか内緒話でもしているのか。

 


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お店の前を通りがかる人たちへのアピールも忘れない。

 


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小さな子犬とすれ違った時のように、彼らを見かけた人々はウフフと微笑みかけてしまう。

 


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この日はちょっと様子が違った。


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子どもがいた……!

体とハンドルの間に挟みこんだ直チャイルドシートスタイル。大胆だ。

 


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それにしてガチャピンの前傾姿勢がレーサーみたいでかっこいい。

 


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と思っていたら翌日、大事故が起こっていた。衝撃映像……!

ポールを移動したらこうなってしまったのだろうか。

 


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翌日、奇跡の生還。彼らは強い。

ちなみにガチャピン(ピンクガチャ)は龍、ムック(ブルームク)は鬼らしい。こう見えて強靭な肉体の持ち主なのだ。

 


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4人編成で、よりかわいさに拍車がかかった。

 


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……あれ?


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こどもが入れ替わった。いや、元に戻ったというのが正しいのかもしれない。そっくり親子。

 


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2か月が経った頃、突然ガチャピンがいなくなり、ムックだけが店頭に立つようになった。

 


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1人きりのムック。心なしか寂しそうだ。私も寂しい。

 


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ガチャピン失踪から5日目、しれっといつもの位置にガチャピンが戻ってきた。

ずっと心配してたんだから! どうかもういなくならないでほしい。

 

こうして私は来る日も来る日も2人を見守り続けた。

 

 

 

 

ガチャピンとムックのひそかな夢

 

長い期間2人を眺めていたらあることに気がついてしまった。

数枚の写真を連続で見ていただきたい。


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もしかして

 
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お店の外へ出ようとしてる……?

 

絨毯部分はお店の敷地で、銀色のラインから向こうは外の世界(アーケードの通路)。

どう見ても彼らはラインの外を目指していた。


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一度そう思ってしまうと、今までのようにほのぼのした気持ちで見守ることができなくなった。

2人はきっとライバルだ。我先にと競うようにして外の世界へ飛び出そうとしている。

私はそんな彼らを見てハラハラが止まらなかった。

 


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ガチャピンのつま足が外の世界へ!

文字通り、ガチャピンが一歩リードしているようだ。


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いや、ムックも負けじと全身で攻めている。

 


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ここでガチャピンによる妨害が!

 


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体勢を崩しながらもライン越えを目指す2人

 


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ガチャピンが大きく右にそれた隙をついてムックが前へ出る


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ガチャピンも懸命に足を伸ばし対抗する

 


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お互い譲れないデッドヒート!

 


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果たしてどちらが先に店外へ飛び出すのか。自由を手に入れるのはどっちだ?!

 

 

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同じような写真が続くので、ちょっとブレイク。これは美人のケルベロス

 

 


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そして、ついに運命の時が訪れた。

先に外の世界へ飛び出したのは……

 

 

 

 


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ガチャピンだーー!!!

 

はじめこそハラハラしながら見守っていた私だったが、彼らの必死な姿にいつの間にか応援するようになっていた。

おめでとう。ヒモにつながれながらも、ついに自由の身を手に入れたんだね。感動で胸がいっぱいだ。

 


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翌日、見えない力により彼らは店内に戻されていた。

それでも彼らは三輪車をこぐことをやめない。がんばれ、もう一度、今度こそ外の世界へ行こう。

 


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二度目の決定的瞬間は思っていたよりも早く訪れた。

外の世界へ飛び出したのは……

 

 

 

 

 

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今度はムックだーーー!!

 

本当によくやったと思う。本来、ラインより先は足を踏み入れることさえ許されない禁断の地。それを堂々とはみ出している。彼の勇気を称えたい。

 


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翌日、強めに引き戻されてひっくり返っていた。ああムック……!

でもきっと何度だって彼らは起き上がるだろう。だって龍と鬼だから。すごく強いはずだから。

  

 

 


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と思っていたら、店頭から彼らが消えた。

突然の別れに腰がくだけそうになった。

 

5か月間、ガチャピンとムックの様子を眺めるのが私の日課になっていた。毎日のささやかな楽しみだった。

もう彼らには会えないのだろうか。一体どこへ行ってしまったんだろう。

いや、もしかして本当にお店から飛び出して自由の身になったのかもしれない。

そう思うと少しだけ心が晴れやかになった。

 

 


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後ろを振り返ると、店内の奥の奥のほうでデッドヒートを繰り広げている彼らがいた。

まだやってた!

がんばれ、戦いはまだ始まったばかりだ。

 

 

 

 

 

【おまけ】2人の勝敗結果

 

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ガチャピン・・・18回

ムック・・・・・14回

引き分け・・・・  8回 

 

※ソロの日、回っていた日、子連れの日、後ろ向きの日などは除く

 

最高のスポット「岩下の新生姜ミュージアム」へ行った思い出

ある日、どういう流れでそうなったか忘れたけど、兄夫婦と栃木県の「岩下の新生姜ミュージアム」に行こうという話になった。

いつか行けたらいいね~かと思ったら、ぜんぜん普通に行くことになった。

ということで今回は、ふわふわとした関係性の親族でいく日帰り旅行の思い出を綴っていきたい。

 

 

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下道でのんびり向かう

 

今日は兄が一日運転をしてくれるらしい。運転中、眠くならないようみんなで盛り上がっていきたい。

BGMは兄夫婦が持ってきた大塚愛のライブDVD。

「あれ、大塚愛のこと好きだったんだ、知らなかった」

と兄夫婦に言ったら、特に好きではないとのこと。当時流行ってたからなんとなく買って、今もなんとなく聞いているらしい。2人を見たら確かに無表情で大塚愛を聴いていた。こわい。私も大塚愛に対して特に思うことがないので気まずい。

盛り上がってるかーい?と、13年前の大塚愛がスピーカー越しにあおってくる。私たちは無の感情でそれを受け止めた。

最後は「大塚愛ってけっこう関西弁なんだね」「そうなんだよ」という会話をして不気味なライブは幕をとじた。なんなんだ。

 

 

 

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埼玉県にさしかかった頃、「家族レストラン坂東太郎」という看板をちょくちょく見かけるようになった。気になる。

坂東太郎の看板を車内から執拗に撮っていたら、兄がそんなに気になるなら見に行ってみようと提案してくれた。

 

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坂東太郎のかっこよさにしびれた。まだオープン前の誰もいない駐車場を一周して色々な角度から坂東太郎を眺める。良い。さっきの無の大塚愛はなんだったんだというぐらい車内は盛り上がった。

 

 

 

 

 

県境を眺める

 

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出発してから3時間。道の駅きたかわべで休憩。

 

 

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でっかいおにぎりにはロマンがあるね。

 

 

 

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道の駅のむかいにあったスポーツ遊学館に入ってみることに。屋上に展望デッキがあるようだ。

 

 

 

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景色を撮ろうとすると必ず兄がピースしながら入ってくる。やめて。

 

 

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展望デッキからちょうど埼玉県と群馬県を走り抜けるランナーを目撃できてよかった。

 

施設の係員さんによると、すぐ近くに埼玉県、群馬県、栃木県の県境があるらしい。全国でも平地にあって歩いて行ける3県境はここだけとのことだった。それはぜひとも見てみたい。

 

  

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徒歩5分ぐらいらしいので、散歩がてら行ってみよう。

 

 

 

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堤防沿いの菜の花がとてもきれいだった。

 

 

 

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畑のあるのどかな風景

 

 

 

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のどかで落ち着くね~と3人で言い合いながらのんびり歩く。

 

 

 

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そしたら背後から工事のおじさんが「おーーい」と声をかけてきたので振り返ると、「3県境ならここだよ」とジェスチャーしていた。

そこに3県境が?! 

 

 

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すいやせん、すいやせん、と言いながら見に行く。

 

 

 

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ここが3県境…… 

 

 

 

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埼玉県、群馬県、栃木県の境目……!

 

 

 

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こんな感じであるんだ3県境!

 

 

 

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3県を股にかける夫婦

 

「ここが3県境でござい!」と仰々しくアピールするでもなく、ただ「ある」という感じだった。それがすごく良くて、のどかな風景ともマッチしていたと思う。

 

 

 

 

 

佐野ラーメンを食べる

 

栃木県といえば佐野ラーメン。これは食べておきたい。

 

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http://sano-kankokk.jp/goods/580/

佐野市観光協会のページもラーメン推し。かわいいキャラが決死の麺リフトをしている。

 

 

まずは佐野駅近くの「らーめんミニ博物館」へ向かうことにした。ここには色んなお店の佐野ラーメンフィギュアが飾ってあるらしい。

  

 

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それにしても、ゆるキャラさのまる君がかわいくて気になってしまう。さのまる君は頭に佐野ラーメンを、腰にイモフライの剣をさしている。かわいい顔してなかなか脂っこい装備だ。

 

 

 

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イモフライの剣がでかすぎる

 

 

 

  

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ラーメンフィギュアは臨場感がすごかった。本当に実物を見比べてるみたいな。すべての観光地でこのシステムを導入してほしい。

 

 

 

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どのラーメンもおいしそうで、これから食べるべきラーメンを3人で話し合った。自分が気になったラーメンをプレゼンし合うのも楽しい。

 

 

 

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食べたラーメン。お店の名前は忘れてしまった。

鶏ガラの澄んだスープが大変おいしかった。ラーメンのなかで佐野ラーメンが一番好きかもしれない。

 

 

 

 

岩下の新生姜ミュージアムを見学する

 

スーパーやコンビニのお惣菜コーナーでよく目にする岩下の新生姜。それのミュージアムだ。

ここは良いぞと常々うわさを耳にしていたので期待が高まる。

 

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兄夫婦は新生姜ミュージアムがどんなところなのか事前情報を一切入れてきていないらしい。

イメージしていたよりも立派な外観にテンションが上がっていた。よかった。

 

 

 

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入口で新生姜グッズを手に取る兄。新生姜のペンライトらしいのだけど、この形って……。兄嫁をちらっと見たら無表情だった。兄も無言だし、私もどうしていいのか分からなかった。ふわふわとした親族で来る場合は、新生姜のペンライトを手に取ってはいけない。

 

 

 

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様子がおかしかったのはペンライトだけで、他はかわいらしいグッズばかりだったのでひと安心。これは漬け汁の自販機。

 

 

 

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岩下の新生姜の香りのルームフレグランス。刺激的なのかと思いきや、さわやかで良いにおい。

 

 

  

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創業1987年から現在までのパッケージギャラリー

  

 

 

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こんなにも視界を岩下の新生姜にジャックされたことはない。

 

 

 

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どの展示も見せかたが大胆で目を奪われてしまう。生姜ってアートだ。すごくきれい。

 

 

 

 

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岩下の新生姜は、一般的な根しょうがと明らかに形が違う。

 

 

 

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こういうことらしい。手間がかかってるんだなぁ。

学びになる展示も多くておもしろい。

 

 

 

 

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私が一番心を動かされたのは、この新生姜の部屋。

中に入ると……

 

 

 

 

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新生姜がベッドで休んでいた。いや、新生姜の部屋だからそれはそうなんだけど。なんで?! という感情が止まらない。

 

 

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新生姜の独特な形状がこの世界観を作り出しているのだろうか。わからない。興奮してたくさん写真を撮った。最高の部屋だった。

 

 

 

 

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でっっっかい岩下の新生姜になれる顔はめモニュメント。やはりでっかいものにはロマンがある。

しかも時間になるとここでプロジェクションマッピングが始まるらしい。

 

 

 

 

※ぜひ音声つきでお楽しみください

 

 

 

岩下の新生姜ミュージアム、こんなに素晴らしいとは。ふざけてるのかと思いきや大まじめで、そこがまたおかしくて、すべての展示が全力だった。こちらも全力で楽しませていただいた。

この充実っぷりで入場料無料って一体どうなっているんだ。なんなら私は支払いたい。

 

 

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最後にみんなでオリジナルジンジャエールを飲んだ。ぴりっとパンチがあって締めくくりには持ってこいの味。

 

 

 

最初は不安もあったけど、ふわふわとした親族でいく日帰り旅行はすごく楽しいものになった。ありがとう栃木県。

めでたしめでたし

 

鍋のシメについて私は何も知らない

 

鍋のシメに何を入れればいいのか分からない。

お米なのか、麺なのか。どの鍋に何を入れてシメるのか。

私が鍋のシメ勘がないことに気づいたのは、あるラジオを聴いている最中だった。

  

【023】長島・加藤のイうてるマにイっちゃってる「VR買っちゃってる」 | オモコロ

 

ラジオでMCの長島さんと加藤さんが、お題となる鍋に最適なシメを「せーの」で言い合うやつをやっていた。

その内容を表にまとめてみるとこんな感じ。

 

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お2人の意見はほとんど一致していて、とても盛り上がっていた。

私はその楽しげな会話を聴きながら、背筋に冷たいものが流れるような気がした。

分からない。いっこも分からなかった。

今まで気づいてなかったけど、私は鍋のシメに関する知識がぽっかり抜け落ちている。

 

 

 

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例えば、カニすきは雑炊が正解らしい。

カニのうまみが存分に出たダシをお米に含ませる。これは分かる。絶対においしい雑炊ができるだろう。

ところが、(鳥の)水炊きには中華麺が正解だという。

中華麺で当たり前といった空気で進行しているラジオをよそに、私は1人ショックが隠せなかった。

同じダシ系なのに雑炊と中華麺のパターンが?! という驚きである。

「ダシを米に含ませる」という学びは水炊きには通用しないのだ。

あと、麺の種類ってうどんだけじゃないんですか?! という驚きもあった。

お米と麺の使い分けもままならないのに、麺の種類まで展開されてしまうともう何も分からない。

 

 

 

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すきやきの場合は、満場一致でうどんとのことだ。

牛丼のノリでごはんもありなのかと思ったので意外だった。

でもこれでちょっと分かった気がする。

味が濃い鍋にはうどんが向いている。濃厚スープには太麺が合う。ラーメンでよく聞くやつだ。

ところがキムチ鍋、君は一体なんなんだ。

濃い味なのにお米もうどんも良いらしいじゃないか。チーズリゾットすごいおいしそう。

 

 

だめだ、思考回路が飛びそうだ。

鍋とシメは規則性があるようでない。ダシの種類、濃度、テイスト、何を基準にしてシメをあてがえば良いのか見当もつかない。

シメの選択にはいわゆるセンスが必要なのだろうか。経験や知識があれば自然と導きだせるのだろうか。

 

 

 

 

……ここまで書いて思い出した。

思い返すと、私が子供の頃に食べていた鍋は味がしなかった。

鍋に水をはり、昆布をひと切れ入れる。沸騰してきたら昆布を取り出し、野菜やお肉を入れ完成。

スープの味はまったくしない。ひと切れ入っていた昆布のダシはどこにも出ていない。あれは昆布じゃなくてゴム片だったのか。

そんな感じで、うまみも塩気もゼロのスープが出来上がる。人はそれをお湯と呼ぶ。

私たちはお湯と具材を取り皿によそってポン酢をかけて食べていた。ポン酢は味があっておいしかった。

最後のシメは決まってお米。味がないので、おかゆみたいだった。

嫌いじゃなかったけど、家庭ではこの鍋しか出たことがない。

 

外食でも鍋を食べることはなかったように思う。

何度か行ったしゃぶしゃぶは、うちの鍋と同じようにお湯に昆布がそよいでいたので、「鍋ってお湯だな~」という思いに拍車をかけた。

こうして私の脳は、鍋に関して知覚する部分だけ赤ちゃんのまま大人になってしまった。

だから私は鍋について何も知らない。

今後は色々な鍋と向き合い、鍋やシメのことを真剣に考え、成長していきたい。

 

 

 

 

ところで先日、自然薯専門店でお鍋を食べたんですが、

 

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すごくおいしかった。 

和風だしのスープでホルモンと野菜を煮込み、仕上げにネバネバの自然薯をかけた豪快な鍋。

本当においしかったけど、あれからずっと悩んでいる。

これの最適なシメってなんだったんだろう。

透明な和風だしはお米に含ませるべき……?

自然薯のねばねばを絡ませるなら麺を……?

その場合は細麺……太麺……?

 

 

鍋脳が赤ちゃんの私には無理難題だった。わからない。

 

 

「ザ・クレープ」それは大人を翻弄する恐ろしいアイス

 

 

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「ザ・クレープ」というアイスを買った。

たしか子供の頃からお世話になっていたのは「クレープ屋さん」という名前のアイスだった。

どうやらリニューアルしたらしい。パッケージもシックで大人っぽくなった。

ずいぶんお堅い雰囲気になって、まるで別人のようだ。

 

 

 

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開封してみよう。

パッケージの指示どおりに、包装のフチを点線にそって切り取る。

 

 

 

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今度は側面からめくって、ぐるりと剥がしとる。

クレープ屋さん時代からやり方は変わっていない。楽勝、楽勝。

 

 

 

慣れた手つきでザ・クレープを裸にした瞬間だった。

完全に油断していた私は耐えがたい衝撃に襲われた。

 

 

 

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大量のビスケットクランチが地面へ落ちていったのだ。

 

穏やかな陽気の下、非常階段で私は声を上げそうになった。

本当にショックだった。

そんなジャイアントコーンみたいなノリで、クランチがふりかかってるなんて思ってもみなかったのだ。

 

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足場が細すぎる。ほんの些細な衝撃でクランチ達は奈落の底だ。

カイジでもこんな感じの鉄骨渡りをしていた気がする。もうこれはギャンブルといっていいんじゃないか。

大量のクランチを失ったショックと、危険なギャンブル性に感情がぐちゃぐちゃになった。

 

それでも時は残酷だ。ザ・クレープは容赦なく溶けていく。

私は慌ててザ・クレープを頬張った。

 

  

……やだ、おいしい……

 

 

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薄くてもちもちとした皮

 

 

 

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クリーミーなバニラアイスと、存在感のあるザクザクのチョコ

 

 

  

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そして、これまでにないゴージャスなトッピング、ビスケットクランチ

 

  

食感を遊ばせている……

大人だ。完全に大人のクレープ。

あの懐かしくて、ちょっとチープな「クレープ屋さん」の面影はどこにもなかった。

知らない間にこんなにも進化していたなんて。

 

 

 

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私は食べ進める前に、無意識に包装の下半分を脱がしていた。

アイスが柔らかくなってからでは包装が外しづらくなるのを体が覚えていた。

たとえ姿を変え味わいが進化しても、クレープ屋さんイズムは私たちのなかに息づいているのかもしれない。

 

  

  

それから毎日のようにザ・クレープを食べた。

 

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相変わらずビスケットクランチは滑り落ちていく。どんなにそっと包装を剥いても、寝かせたり立てたり体勢を工夫しても、じゃんじゃん落ちていく。

その度に私は感情を揺さぶられながら、それでもザ・クレープを食べるのをやめられなかった。

いつも違う姿を見せてくれるザ・クレープに夢中になっていた。

 

 

 

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野球少年の坊主頭のように、ちょぼちょぼとくっついたビスケットクランチ。ほほえましいじゃないか。


 

 

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この日も多くのビスケットクランチを失ったが、バニラアイスの海に浮かんだチョコの大陸が美しくてため息が出た。

失うことの悲しさに縛られず、広い視野を持ってすべてを受け止めていきたい。

 

 

 

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ビスケットクランチがバニラアイスに埋まり気味の日もある。

がっちりとホールドされたビスケットクランチほど心休まるものはない。

心なしかクレープ生地も全体をしっかりと包み込んでくれている。

こんな休息日もあっていいだろう。

 

 

 

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包装を破る時に、ビスケットクランチをアイスに押しつけるよう意識するとロスが減ることに気づいた。

しかしこれはもろ刃の剣。手の熱で溶けたアイスが包装にくっついて今度はアイスをロスしてしまうのだ。

ひとつ求めれば、ひとつ失う。

こうして人は成長していくのかもしれない。

 

 

 

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チョコの流脈をはっきりと確認できた日は当たりだ。

どのタイミングでザクザクのチョコを口へ放り込むか計算しやすいからだ。

ザ・クレープは行き当たりばったりで食感を堪能するのもいいが、頭脳プレイで攻略するのも面白い。

 


  

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やっぱり多くのビスケットクランチが生き残ってくれた日は嬉しい。

幸福感とともに味わうザ・クレープは何よりもごちそうだ。

 

 

 

 

ひとつのアイスでこんなにエンターテイメントを感じたのは初めてだ。

一度は完璧にビスケットクランチを死守したいと攻略に燃えたが、今はもうその思いはない。

私は個体差ごと受け止めたいと思っている。

どんな形でも向かってきてほしい。

ザ・クレープを丸ごと全部愛したい。

 

 

 

おわり

あんみつパフェにはコアがない

 

 

ある日、友達から「あんみつパフェ」という食べ物の存在を教えてもらった。

ディズニーシーにあるらしい。

あんみつパフェねぇ、あんみつ好きとしては大変興味深いじゃないですか。

 

 

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さっそくあんみつパフェで検索をかけたら、画像がたくさん出てきた。

あんみつパフェねぇ、良いですねぇ! 夢中で画像を眺めていた時だった。

ふと違和感を覚える。

 

あんみつパフェって……なんだ?

 

こういう時は落ち着いてウィキペディアを開いて確認したい。

あんみつとは、パフェとは。

 

◆あんみつ  

あんみつとは、みつ豆にあんこを乗せた和菓子。

さいの目状に切った寒天に、茹でて冷やした赤エンドウマメ、あずき餡、求肥、干し杏子などをのせ、蜜をかけて食べる。

 

 ◆パフェ 

パフェとは、背の高いグラスに、アイスクリーム、フルーツを主体として、その他の甘い具を加えたデザート。
生クリーム、バタークリーム、チョコレート・ソース、シリアル、ナッツなどを加える。

 

違和感の正体は、あんみつとパフェの構成にあった。

どちらも、複数の具材からできた集合体なのだ。

「これが入っているからパフェ」とか「これが入ってないとあんみつじゃない」みたいなことはない。

そう、恐ろしいことにあんみつとパフェ、どちらもコアがない食べ物といえる。

 

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じゃあ、コアのないもの同士が合体したらどうなっちゃうの? という話になってくる。

 

「あんみつパフェ」という名前なので、もちろんベースはパフェのはずだ。

そこにあんみつ要素をプラスしたのがあんみつパフェ。

仕組みは簡単だ。だけど哲学としてはとても難しい。

どこにも主体性がないあんみつパフェという食べ物は、どんな具材で構成するというのか。

あんこに黒蜜、寒天は入る? コーンフレークは?

いや、なんなら、細長いグラスにあんみつの具材を入れたらパフェっぽくないですか? という気もしてきた。

考えれば考えるほど分からない。

あんみつパフェ……一体どういうことなんだ。

 

 

 

 

分からなくなってきたので、少しクローズアップしてあんみつパフェの「あんみつ」部分に注目してみよう。

 

世間一般的に「あんみつ」というと、きっと地味でぱっとしないイメージを持たれているのではないだろうか。

そもそも、あんみつがどんな具材で構成しているのか浸透してない可能性もある。

ふんわりとした認識と立ち位置、それがあんみつという食べ物だと思っている。

 

 

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じゃあ、あんみつパフェの「あんみつ」部分はどうなっているんだろう。

もしかすると、ここに世間が考える「あんみつらしさ」が表れているんじゃないだろうか。 

あんみつといったらこれだよね! といった感じで、あんみつを象徴する具材が乗っているはずだ。

めちゃくちゃ興味深い。

みんなあんみつのことどう思ってるの。

 

決まりだ。あんみつパフェを食べてみよう。

謎に満ちたあんみつパフェの構成、そして世間が考えるあんみつ像をあぶり出してみようじゃないか。

 

 

 

 

調査対象

 

今回は3店舗のあんみつパフェを食べてみることにした。

前提として甘味処は調査対象から外している。

通常あんみつを出さないようなお店が考えて用意した、あんみつ的な具材を確認していきたい。

 

 

 

 

カフェ(個人店)が出すあんみつパフェ

 

まずはカフェだ。

コーヒー豆を挽く心地よい音と香ばしい香りに包まれながら、あんみつパフェを注文してみた。 

 

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さっそくウィキペディアにあったパフェの要素のひとつ「背の高いグラス」が覆された。

中肉中背のグラスだ。頼りがいのあるフォルム、私は嫌いじゃない。

 

 

  

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トップにはソフトクリーム。きな粉と黒蜜のお化粧で色づいている。

脇に添えられているのは艶やかな白玉。

 

 

 

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グラスの縁からはみ出さんばかりの白玉の曲線美に、思わずスケベな笑いが出てしまった。

 

 

  

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グラスの中は、コーンフレーク、生クリーム、あんこ、白玉が重なっていた。

淡い色合いの中で、あんこの黒が引き立っている。またスケベな笑いが出ちゃう美しいストライプだ。

 

食べてみると、かなりパフェの要素が強かった。

生クリームが多く、コーンフレークの食感が目立つからかもしれない。

 

パフェの内容をまとめると下記のようになった。

 

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こちらのカフェでは、4種類の具材であんみつらしさを表現していることが分かった。

きな粉については、あんみつらしいかと言われるとちょっと考えてしまう。

でも和風の雰囲気は出るので気持ちは分かる。

意外な結果だ。思ったよりあんみつから遠いところに置いたあんみつパフェだった。

 

 

 

  

 

ケーキ屋のあんみつパフェ

 

ケーキ屋さんのガラスケースに並んでいたあんみつパフェ。  

 

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サイズはプリン容器と同じぐらい。

 

 

  

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フルーツがジュレでコーティングされて艶っぽい。

ケースで陳列するための乾燥防止だろう。ケーキ屋ならではの工夫だ。

透明感のある粒あんは水分が多いタイプ。ソースのような役割なのかもしれない。

 

 

  

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フルーツの下から出てきた生クリーム畑をスプーンで掘ってみると、思わず目を疑った。

抹茶ムースと黒糖味のゼリーが出てきた……!

 

 

 

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寒天じゃなく抹茶プリンと黒糖ゼリーを仕込んでくるとは想定外だった。

といっても、全体的に和テイストでよくまとまっていたので、あんみつパフェとして説得力があった。 

 

 

 

 

 

サンマルクカフェの白玉あんみつパフェ

 

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サンマルクカフェのパフェシリーズに「白玉あんみつ」というのがある。 

たった390円(税抜)で食べられるパフェとして今日も大勢の人々が救われていることだろう。

 

 

 

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こちらが白玉あんみつパフェ。なんてシンプルな構成だ。

 

 

 

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ソフトクリームの頂上から流れる黒蜜の川。

それをグラスの縁に沿って並んだ白玉の壁がせき止めている。 

黒蜜と白玉の美しいせめぎ合い。いつまでも見ていたい。

 

 

 

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体をかがめてグラスの側面を覗き込む。コーンフレークが多そうだ。

 

 

 

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え、というか全部コーンフレーク? うそ……!

 

 

 

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アリ地獄のようなコーンフレークの巣に吸い込まれたスプーンは、ずぶずぶと埋まって行き、二度と戻ってくることはなかった。

 

 

 

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リーズナブルなだけあってとても潔いパフェだった。

「白玉あんみつ」という名前なので、もちろん白玉は乗っている。

そうなると、あんみつ要素は黒蜜のみで表現しているということになる。

大胆すぎて絶句してしまった。

 

 

 

 

 

まとめ

 

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集計結果を見ると、最も使われた具材は白玉という結果になった。まさかのダークホース。

どうやら世間では「あんみつ=白玉・黒蜜・あんこ」というイメージが強いようだ。

一方、あんみつの基本である寒天や豆は一度も登場しなかった。

こう考えると、あんみつの中でもパフェの派手さに遜色ないメンバーとして、白玉・黒蜜・あんこが選抜されるのも、妙に納得してしまう。

白玉・黒蜜・あんこって華があるもんね。

 

今回は3店舗のみの調査だったので、今後もあんみつパフェには注目していきたい。

 

 

 

【おまけ】

 

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ちなみにパンケーキ推しのカフェで「あんみつパンケーキ」を発見したので注文してみたところ、

 

 

 

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あんみつ要素は黒蜜・あんこ・抹茶アイスという結果になった。

やっぱり黒蜜とあんこは強い!

 

 

 

 

 

それでは最後に、仕事中に一生懸命考えてこしらえた、私の理想のあんみつパフェをお届けして終わりたい。

 

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ありがとうございました。